| ラーメン専門 つじのや |
愛知県春日井市
JR中央線 春日井駅
地図→
map fan web → google map (要active X)
|
|
※この情報は取材当時のものです。メニューや営業時間は変更となっている場合がございますので、あらかじめご了承ください。 |
 |
☆主なメニュー
| らーめん |
600円 |
| 特製らーめん |
800円 |
| 特製みそらーめん |
850円 |
| 盛りつけめん |
600円 |
| (1玉半:650円 2玉:750円) |
| 具つけめん |
650円 |
| (1玉半:700円 2玉:800円) |
| |
|
☆トッピング
(味玉、ネギ) |
各100円 |
| ☆麺大盛り |
+100円 |
| |
|
| ギョーザ |
250円 |
| 豚めし |
300円 |
|
住所:愛知県春日井市東野町9-6-4 羽田野ビル1F
・車で勝川方面から、国道19号線を多治見方面に向かった
場合、ザ・モール春日井の交差点(六軒屋町交差点)を
左折してすぐ右手。春日井ICからは車で約15分。
・JR中央線 春日井駅下車 JRバス大池住宅 または
造形大行き「東野口」下車。
駐車場:8台
電話:なし
営業時間:11:30-14:30 18:00-22:30
定休日:毎週木曜日
席数:カウンター14席 |
|
■回 半田市で開業予定物件を視察後、
■■ 春日井市を目指し、炎天下をひた走る!
「茶屋亭」の取材のあとは、隣接する半田市へ。庄崎さんが出店を検討している物件をチェックするためだ。
駐車場に車をとめて、しばしウォッチング。
「駅のそばか……。『久保商店』の立地に似ているね。
ビルのテナントに飲食店はある? 隣はブティックだね。大家さんはOKしても、匂いの面で近隣からいやがられることもあるから……」
「看板はどうする? 駐車場は?」
鳥居隊長と福井講師が矢継ぎ早にくりだす質問やアドバイスに、神妙な表情で聞き入る庄崎さんなのだった。
物件チェックのあとは、再び高速にのり、春日井市へ。次の目的地は、「らーめん専門 つじのや」だ。2003年から大成食品が運営支援をし
ているお店だとか。福井さんがアドバイザーとして通っていたという。
知多半島に位置する半田市から県北西部の春日井市まで、ひた走ること90分以上。
ハンドルを握る庄崎さんのトークは絶好調だ。開業準備の楽しさや、食べ歩いたラーメン店の話、小麦粉や麺の質問などが切れ目なく続く。
一方、パジェロの後部座席にみっちりと座った福井さん、鈴木&山内隊員は、寡黙である。もはや、
「暑い……」
という<<つぶやき>>すら、もらさない。
汗が顔を、首筋を、背中を伝わっていくのがわかる。手持ちのペットボトルもとっくに空になってしまった……。
(まだ? まだなの?『つじのや』さんは?……(T.T))
朦朧とした頭の中で、一刻も早い到着を祈る三人だった。
「つきましたよ〜!」
助手席側の扉からヨロヨロと這い出た3人は、揃って深呼吸!
昼すぎの日差しは強烈だが、車の外の方がよほど爽やかだ。
ということは、後部座席の気温は……!
朦朧としていたのは、熱中症になりかかっていたせいかもしれない!?
|
|
■回 「らーめん専門 つじのや」に到着
■■ 前菜は、店主の屈託ない笑顔とお茶目な会話!?
「らーめん専門 つじのや」は、国道19号線ぞいのショッピングセンターの交差点を左折した先にあった。
シンプルな黒い外装に、天然木の看板。きなりののれんがはためいている。駐車場の数や看板類をチェックする隊長。
「ふーん……典型的なロードサイド型のお店ですね。ショッピングセンター内にはレストラン街があるし、周囲にはファストフード店や飲食店があって、競争は激しそう」
と冷静に分析する鈴木隊員をしりめに、
「水……、水をちょうだい!」
店内にかけこむ山内隊員なのだった。
「いらっしゃいませ〜! ようこそようこそ!」
出迎えてくださったのは、店主の辻 尚希(ひさき)さん(37)。その背後からは、奥様が会釈してくださる。
辻さんは、厨房から出てきて一行ひとりひとりに話しかけた。
「鳥居さん、お会いしたかったです! 感激です!」
「福井さん、おかげさまで夏も好調でした! ありがとうございます!」
「ほう、庄崎さんは2期生ですか! 僕は『鳥居式らーめん塾』の0期生なんですよ〜。いいな〜、卒業証書もっているんでしょう?
僕もほしいな〜♪ 鳥居さん、僕にもいただけませんかね〜?」
いがぐり頭のやんちゃ坊主がそのまま大人になったような風貌の辻さん。その無邪気な明るさ、人なつこさに、一行はたちまち魅了されてしまった。 |
|
■回 つけめん人気に、一行もびっくり!
■■ 店主はつけめん文化の名伝道師!?
ランチタイム真っ最中なので、インタビューの前に試食させていただくことになった。
一行はかわるがわるお冷やのおかわりをしながら、店内を観察する。
内装はレトロな風合いの板や柱を多用。
木製のU字型カウンターの上に、細長い板が祭りやぐらのように組んである。調味料やティッシュなどを置く棚がわりになっていて、おもしろい。席数の割には広々としたゆとりがあり、入口付近にウェィティング用のベンチが設置されているのも、好感度大!
親しみやすく、居心地のよいつくりだ。
いたるところにおすすめメニューの写真や解説、雑誌掲載記事などが掲示されている。
「ふうん、つけめんの名店として紹介されてますね。地元の情報誌の記事かな?」
鳥居隊長は、掲載記事のコピーに眼をこらす。
「そういえば、つけめんをオーダーするお客様の比率が高いわ! 3分の2はつけめんね」
「たしか、中京地区にはつけめんってなかったんですよね?」
「そうですよ」
「それなのに、ずいぶん浸透しているって感じで、すご〜い! 辻さんは、つけめん文化の名伝道師ってわけね!」
「ははっ、とんでもない! お客様につけめんを認知していただくのに1年がかりでしたからね。最初は4、5人のグループでみえたら、その中の1人だけが注文されて、みんなで味見、次回からつけめんを選ぶ、というパターンが多かったですよ」
「なるほど〜! 末広がりって感じで理想的ですね〜」
「つけめんのおかげで、今年は夏も売り上げが伸びました!」
「わあ。それってすごい快挙ですよ!」
辻さんと一行、つけめん談義に花が咲く。
時刻は2時近いのに、勤め人風の男女でほぼ満席だ。
行列こそできないものの、途切れることなくお客様が入ってくる。
「いい感じでお客様が入ってますね。ランチタイムだけで何回転するのかしら?」
「どのお客様も、いいお顔ですよ。これは期待できそう! わくわくっ!」
期待にみちたまなざしで、厨房をのぞく。 |
|
■回 店主夫妻の見事な連携プレーで調理された
■■ らーめん、具つけめん、特製味噌らーめんを試食!
細長い厨房にがっしりした体格の辻さんが立つと、一見、狭く感じられる。でも、奥様が華奢で小柄だから、二人で厨房に入ってもちょうどいい塩梅の作業スペースに見える。
そしてここの厨房は、機器の配置が合理的なため、動線が短く無駄がない。
辻さん夫妻は見事なコンビネーションで、次々と注文の品を仕上げていく。
お二人が快適に働ける厨房は、おそらくかなり緻密な計算のもとに設計されたに違いない。
「さすが、ご夫妻。息がぴったりね〜!」
「こういう気持ちいい仕事ぶりも、おいしさの要素になるわ!」
などと話すうちに、丼が目の前に!
今回は辻さんおすすめのラーメン、具つけめん、特製みそラーメンを作っていただいた。 |
|
★らーめん
(600円)
麺:大成食品「つじのや」特製麺。中細縮れ麺
具:脂少なめの輸入豚のバラをスープで2時間半煮て、特製醤油ダレに漬け込んだチャーシュー。中国産の特注メンマ、自家製煮卵、ねぎ。
スープ:動物系スープと、和だしをあわせるダブルスープ方式。
動物系は、輸入ものの豚骨、豚足、背骨、背脂、鶏ガラ、モミジ、玉葱、にんじん、しょうが、にんにく、昆布、椎茸を加え、7時間以上炊く。椎茸、昆布、ブレンドした節ものでとった和風だしを、動物系スープの仕上げ段階であわせる。
タレ:複数の醤油をブレンドした特製醤油ダレ。
オイル:調整ラード
★辛し高菜
(持ち帰りは1パック150円)
自家製高菜漬けを刻んでごま油で炒め、一味をふったもの。
|

 |
|
<隊長感想>
すごくよく、まとまっていますね。麺、具、スープ、それぞれすべて
が平均点以上。バランスが良く、調和していてよかったです。
らーめんは、もうちょっとインパクトがあってもいいかなあ、とも思
いますが、立地や客層から考えて、今の状態でいいんじゃないかな。
|
|
鈴 木
本家の「麺彩房」ほどのインパクトは感じないのですが、素直においしい、また食べに来ようって思える味でした。
ランチタイムはこの中華そばにギョウザ3個とライスがついて680円! おいしくて、ボリューム満点で、店主夫妻の笑顔がもれなくついてくるとなれば、2時すぎまでお客様が押し寄せるのも納得です。
そうそう、私と山内さんは、辛し高菜の存在を、ラーメン類を食べ終えるまでまったく気付きませんでした。単品でもすごくおいしかったので、ぜひこれをラーメンにものせて食べてみたかったです。残念っ!
庄 崎
高菜がすごくおいしかったです!(笑)
すべて、本当においしくて、うまく作ってるなと思いました。
山 内
脂が多めでコクとキレもあって、魚介の香りがぐっと迫ってくるスープです。おお、これは「麺彩房」系だなあ、ってわかる、コンセプトのはっきりしたスープですね。
麺は本家よりだいぶ細いのですが、固めにゆであがっているせいか、強いスープに負けていません。ナイスバランスですね〜。
メンマは柔らかくジューシーで、おいしかったです。細い麺と極太柔らかメンマの組み合わせが、オツですねっ!
|
|
★特製みそらーめん
(850円)
麺:らーめんと同じ。
具:チャーシュー。メンマ、自家製煮卵、ねぎ、岩のり。
スープ:らーめんと同じ
タレ:北海道産の味噌をベースに複数の調味料をブレンドした特製味噌ダレ。
オイル:調整ラード
|
 |
|
<隊長感想>
これはおいしかったです。ただ、もうちょっと脂があってもいいんじ
ゃないかな、と思います。
まあ、あれに脂が入ると角がとれちゃってよくないのかもしれないけれど……。それに野菜が入っていないから、むしろ、脂はあまりいらないのかもしれないですね。
|
|
鈴 木
味噌は、私にとって、とても新鮮な味わいでした。辛みがきいていたけど、ほどよく、上品な辛さがあって好みです。大人の味わい、って感じが気に入りましたね。
チャーシューは、とてもジューシーな仕上がり。いいお肉を使っているな、って思いました。脂身が少ない割には柔らかかったのも、チャーシュー好きの私にはポイント高かったです。
山 内
香ばしい、ナッツ系の後味も爽やかな味噌ラーメン。飲めば飲むほど、また飲みたくなる、おいしいスープです。味噌のコクとまろやかな甘みが、くせになる味です。ほどよい辛みもあいまって、汗がどんどん流れました。
岩のりの強い磯の香りも、このスープに負けないインパクトを放っていて、味のアクセントになってますね!
極太メンマも、黄身までしっかり味がしみた味玉も、しっかりと存在感をアピールしています。
麺は、ラーメンと同じもの。味噌スープとの相性はまずまずでしたが、スープやトッピングの印象の強さに、やや影が薄くなってしまっているような? もう少し太めの麺をあわせたら、どんな感じになったかしら、なんて好奇心をそそられました。
|
|
★具つけめん 1玉半 (700円)
麺:らーめんと同じ
具:かにかまぼこ、わかめ、メンマ、煮卵、刻みのり。つけダレには刻んだチャーシュー、ねぎ入り。
スープ:らーめんと同じ。
タレ:特製醤油ダレ+昆布入りの特製甘酢+一味
オイル:ラード
|
 |
|
<隊長感想>
いいできだと思いますよ。つけめんは特にインパクトがあったね!
昼間の回転の良さを見ていると、つけめんも細麺で通したのは、戦略的にも大正解じゃないかな? ゆで時間が長い太い麺では、あれだけの数のつけめんを出すのは難しいでしょうから。
<福井講師コメント>
全体に、うまくまとまっていると思いますよ。辻さんの努力のあとが伺えますし、その成果がちゃんと味に出ています。
あとは、この味を彼がさらに進化させたいと思うかどうか。また、進化させたらどう変わってくるか、ですね。今後の辻さんのがんばりに、期待しています。
|
|
鈴 木
第一印象が、「麺彩房」のつけめんそっくり!だったんですよ。
でも、福井さんに伺ったら、ずいぶん違うそうで……(笑)。麺は違う
んだけど、スープの感じが似ていたように感じました。インパクトの強さが共通していたから、そう思ったのかも? 麺が細い分、するすると軽く食べてしまえました。
刻みねぎがたくさん入っていたのも気に入りました。ごちそうさまでした。
庄 崎
つけめん、おいしかったです。だけど、麺は、あの細さだと、冷たいよりもちょっと温いほうが、さらにおいしいんじゃないかと感じましたね。
メンマはばっちりですね。
「つじのや」さんは、総合的にいいと思いました。辻さんの人柄とか、店の雰囲気とかが、いい。
山 内
甘酸っぱいというか、酸味がかなり強い濃厚なタレに細い麺!
私の好みにぴたりとはまりました。ユニークで、一度食べたらちょっと忘れられない、といったインパクトがありますね。らーめんと共通の麺を使う場合、麺のかんすい臭が気になるものですが、今回はまったく気になりませんでした。
トッピングもチャーミング! ひんやりワカメで口の中を爽やかにしたり、カニかまで気分転換したりすれば、「2玉バージョン」だって、あっという間に完食できそうです。
ショッピングセンターにほど近いロードサイドで、競合する飲食店は大小多数あるけれど、つけめんは「つじのや」でしか食べられません。
これは、すごく強力な武器ですよね。辻さんの復活ストーリーは、サクセスストーリーへと進化していきそうで、楽しみです!
|
|
■回 エクステリア専門の建築業から転身!
■■ ラーメン修業抜きで、2003年2月に開業
テキパキと調理しながらも、朗らかな笑顔と、楽しげな口調で、お客様のもてなしに余念がない辻さん。
2003年2月に開業するまでは、建設業にたずさわっていた。
「エクステリア、ってわかりますか? カーポートなどの屋外の設備工事を担当していたんですよ。でもだんだん仕事
が減ってきて、これではいけない、って思い始めました。たまたま、現場近くで流行っていたラーメン屋さんを見て、
これだ!って思ったんです」
仕事柄、手先は器用で、飲みこみも早い。料理好きでもあった辻さんは、素早く決断。奥様や両親を説得し、一気に
開業準備を進めた。
「今考えると、すごく甘かった(苦笑)。
流行っているお店の様子を見て、ラーメンだったら、特に技術がいらない簡単な料理だと早合点しちゃったんですよ。
だから、修業もしないで、いきなり開業。自宅のすぐそばの物件がちょうどあいたから、これは運命だ!って、意気揚々とはじめちゃったんです」
もとは中華料理店だった物件を契約するやいなや、自分で解体を開始。改装工事もできるところはなるべく自分で作業したそうだ。
修業しないかわりに、インターネットでみつけた某製麺業者に、開業指導を依頼した。その会社の麺をとりさえすれば、無料で指導するという宣伝文句にひかれてのこと。
「これでうまく行く、絶対繁盛するって、オープン前はすごくワクワクしてました!」
だが……! |
|
■回 開業したものの、大苦戦!
■■ 鳥居隊長との出会いが転機に……
開店早々から売り上げは低迷。
「へこたれましたね。もう、うまくいかなくて。開業指導の担当者は、実際には何も教えてくれませんでした。『いいんじゃない? 思う通りにやってみれば?』
と言うばかりで…。
自分でなんとかしたくても、やり方がわからないんだもの、八方ふさがりですよ。どんどん資金も減っていくし……
。嫁さんや親を説得して開業したプレッシャーもあるし……。
もう、店を開けるのもつらくなってしまったんです。当時の自分は、まさにどん底、って感じでした」
開店して3ヶ月目。
藁をもつかむ思いですがったのが、大成食品の開業支援だった。
「とにかく、今のままじゃだめだと思って、もう一度ネットで検索して、大成食品のサイトを見つけました。すぐに会社に電話したら、鳥居さんにつながって…」
外出がちでなかなかつかまらない鳥居社長に、運良く電話がつながったことで、辻さんは再起のきっかけをつかむ。
「苦しい状況を、鳥居さんが本当に親身になって聞いてくださったんですよ。すぐに、(開業/運営支援スタッフの)福井さんがみえて、ああ、これで助かる!って思いました」
当時の感激を思い出してか、次第に辻さんの口調が熱を帯び、声が大きくなっていく。
鳥居隊長はしきりに照れている。
実は、隊長は当時、他の依頼で手一杯だった福井さんに何度も頼み込んで、春日井市まで出かけてもらったそうだ。 |
|
■回 店主の「死んだ魚のような眼」に、
■■ 生気をよみがえらせた一言とは?
「福井さんとお会いした当初の自分って、死んだ魚のような眼をしていたと思います」
当時、苦しい思いをしていた辻さんとって、やる気を出すことが、そもそも難しかったという。そんな中で、「無料の開業指導」に見切りをつけ、大成食品の有料の運営支援を受ける、と決めたことは、さすが起業家魂を持っている人だ。
メニューを一新するため、3日がかりで福井さんの指導を受けたが、なかなか吸収できないでいた。
「自信ない、って言ったら、福井さんに 『じゃあ、やめたら? このまま無理して借金を増やすよりいい』って言われましてね……(苦笑)」
福井さんは、「鳥居式らーめん塾」の講義で、食への関心と意欲がない人、お客様の笑顔を喜びと感じない人は、飲食店経営に向かない、と語っていた。
懇切丁寧、熱心なサポートぶりで知られる福井さんだが、このときばかりは、あえてクールに接していたという。閉店の危機にさらされて自信を喪失している相手に、闇雲にがんばれと迫るのは逆効果。もし、本当にやる気が起こらないなら、早めに方向転換したほうが傷が浅くてすむと考えたようだ。
プロとしての仕事を全うした福井さんが帰京する日。辻さんは、別れ際にこう言われた。
「これだけは言っておきます。私が教えたスープは、プライドをもっていいスープです。どうか、自信をもって、作り続けてください」
この言葉が、辻さんを奮起させた。
ほどなく、「つじのや」全メニューのリニューアルを断行。夫婦二人三脚で再起をめざす毎日が始まった。 |
|
■回 1杯の積み重ねが未来につながる……
■■ 着実な歩みで、繁盛店を目指す!
リニューアル当初は、なかなか売り上げがのびなかった。
「最初はだんどりが悪くて大変でした。味玉ひとつ作るのも、大仕事に思えてね。
リニューアルしても、売れずにロスが多く出て……。結局廃棄でしょ? お金をどぶに捨てるみたいで、本当に辛かった。
福井さんに電話したら、
『必ず売れるよ。1ヶ月続けてごらん、(希望が)見えてくるから!』
って励まされました。
とにかく、レシピ通りに、分量を正確に、ということを心がけて、作り続けたんです」
リニューアルしたらーめんは、こだわりぬいたダブルスープがポイントの「麺彩房」系。以前のレシピよりもはるかに手間ひまがかかる。気の遠くなるような大仕事に思えた。
だが、一ヶ月も続ければ慣れてくる。余裕がうまれる。仕上がりのムラも減ってくる。次第に、お客様が増えていった。
「お客様がいらしてくださるだけで嬉しくて! 心の底から『ありがとうございます!』って言ってました。
売り上げが右肩上がりになると、がぜん商売が楽しくなりますよね。もっとも、1年目は本当にわずかな伸びです。
1日30食がじわじわっと35、40食になっていく感じ。
1杯1杯の積み重ねが、やがて、60食、70食になっていく。
最初はひとりでご来店された方が次回はご家族でおみえになる……。
ああ、今作っているこの1杯が、未来につながっているんだな、とようやく気付きました。まさに、右肩上がりの末広がり!(笑)。」
どん底状態を味わったからこそ、「1杯の重み」と感謝の気持ちを確認できた、と繰り返す辻さん。
「お調子者ですからね〜。最初からうまくいってたら、天狗になっちゃって大変だったと思いますよ(笑)。
今の私があるのも、鳥居さん、福井さんのおかげ! そして家族のおかげです。
小学生の子どもが3人いるんですが、何にも言わないのに、自分から店の掃除など、できることを探して手伝ってくれるんですよ。そういうのが、嬉しくってね。
これからもコツコツとこの味を作り続けていって、嫁さんと子ども3人、安定して食べていけたら嬉しいですね」
辻さんの瞳は今、確かな自信と希望の光に輝いている。
|