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■回 「鳥居式らーめん塾」でも人気のだし講義
■■ プロ向けバージョンを聴く(^^)
長谷川さんの講義は、まず味の組み立て論からスタート。
「昆布と鰹で和食のだしをとる。豚と鶏でラーメンのスープをとる。一見まったく別物のようですが、味の組み立てという点では同じなんです」
ホワイトボードに<イノシン酸×グルタミン酸=味の相乗効果>の式を記す。
長谷川「イノシン酸を多く含むのは、鰹、宗田鰹、鯖、ウルメ、秋刀魚」
書き出した項目を四角く囲う。
その隣にまた四角を書いて、煮干し、飛魚(あご)と記入する。
長谷川「どちらもイノシン酸系素材ですが、なぜ分けて書いたかおわかりですか? こちらの5つは薫製のついたもの。こちらは薫製のついていないもの、ですよ〜(^^)」
薫製のついたものがいわゆる節もの。香を演出する食材である鰹節以外の節ものも、それぞれに独特の香りがある。
たとえば讃岐うどんだしのように、「香りはいらない、うまみだけが欲しい」という場合は薫製されていない煮干しを用いるのだ。ただ、蕎麦屋では鰹節の厚削りを長く炊き込んで香りを飛ばすというアプローチもある。
同じ煮干しでも千葉県産と瀬戸内産では魚の肉質、加工時の鮮度が違う。
鰹節も福島鰹(株)が扱う熊本県天草は鰹の煮熟工程で塩水を使うが、他社が扱う宮崎県産は真水を使う等。同じ素材だとしても、産地、銘柄による違いから生じる風味、うまみの差も顕著なのだ。
やはりプロのアドバイスは値千金!(^^)
長谷川「グルタミン酸系素材としては、昆布ですね。
昆布にも種類がありまして、最もうまみをもっているのは羅臼昆布。グルタミン酸含有量が他の昆布の1.2から1.3倍あるんですよ。
……グアニル酸の素材としては干し椎茸。これは少量でインパクトあるだしが出ます。ただ、大量に使うと全体のバランスを崩してしまうので……」
長谷川さんは楽しげに素材の名前をボードに書き出していく。
一つ書くごとに銘柄別、産地別の素材の味の特徴や扱い方のコツ。らーめんに用いる際の注意点等を濃やかに解説する。
各だし素材の特徴あたりは「鳥居式らーめん塾」でもレクチャーずみだ。
「鳥居式らーめん塾」出身の店主たちは「そうそう!(^^)"」と頷いているが、真剣な面持ちで板書をメモしている人が大半だ。
「鳥居式らーめん塾」で教える「基本知識」のレベルは、相当専門的かつ実践的なのだろう"φ(@@)。
長谷川「鯖はスープに甘みを出したいときに増やすといいですね。価格は鰹節の半分ですから、配合次第で安くてパンチの強い味にできますよ(^^)」
「味の相乗効果をふまえ、最もバランスのいい配合はイノシン系の素材100グラムに対し……」
「鰹節は生の豚の20倍ものイノシン酸を持っています。豚骨スープのうまみを抽出するのに最低でも6時間かかるのに、魚介系なら30分程度で抽出できてしまいます。時間の面でも、コストの面でも有効ですね(^^)」
レシピやコストに関する突っ込んだ情報が出ると、塾出身者たちの瞳がギラリ!
「枯れ節と本節では味はどう変わりますか?」
「うまみの強さと価格の関係は?」
などと、現場で常々感じていた質問をぶつけ始める。
濃厚魚介系のらーめん、つけめんの人気が高まるにつれ、だし素材の種類、配合比率や調理方法等を工夫することで他店と差別化する必要性が高まるからだろうか。
山内「塾では常々、らーめんでもっともコストがかさむのはスープだ、という話を聞くわ。安価な素材を上手に使うことで、うまみアップでコスト削減になるレシピも可能になるんだもの。皆さん、熱心になるのも当然ね(^^)。
繁盛店店主は常に進化を目指すもの。だし素材の研究は味のバージョンアップにきっと役立つでしょうね"φ(^^)」
質問にはその都度長谷川さんが回答。さらに情報を補足していくため、内容はどんどん深く濃くなっていく。
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