隊長代理・福井の
ニューヨークレポート |
|
今回は、「食べある記隊」がいよいよ海外遠征!
当メルマガ誌上でもおなじみの「隊長代理」こと、福井則雄さんによるニューヨークレポートをお送りします。
福井さんは、大成食品の商品開発・開業支援スタッフで「鳥居式らーめん塾」味創り担当講師。
「世界の食のトレンド発信基地」の現状を、五感と胃袋をフルに使って確かめてきました!
|
|
■回 食べある記隊長代理、
■■ ニューヨークへ飛ぶ!
3月末に初めて開催した「"麺"夢塾」はおかげさまで無事終了!
「ほっ」と息をつく間もなく、ニューヨークへ発つ私(^^;。
「鳥居式らーめん塾」の講師でもある(株)フードシステム・古田基さん主宰の「2006年ニューヨーク食市場研修セミナー」に参加するのです。
「しっかり視察してきてください。頼むよ♪」
ぽーん!と私の肩をたたくのは、鳥居社長。いやはや、この笑顔には、かないませんね(^^;。社命ですもの、行きますとも、ニューヨーク!(^^)/"
なんといっても、世界のトレンドの発信基地。商品開発や店創りのヒントがいっぱい見つかるでしょうし!p(^^)q
これまでの海外視察は、アジア中心。ニューヨークは公私ともに初めてです。緊張と、期待を胸に、成田空港の集合場所へ!
視察団は総勢26名。
団長の古田さんは、日米のフードサービスに精通するコンサルタントです。総菜の繁盛店のオーナーでもあり、フードサービスのセミナーを精力的に企画、開
催されています。
そんな古田さんを慕って全国から集まったのは、フードアドバイザー、コンサルタント、飲食店経営者、食材卸問屋や輸入商社の社員など。
ふだんは接点のない業界、業種の方も多く、地域や年代もばらばら。会話の中身は非常に興味深く、刺激的です。
往復のエアーはユナイテッド航空に乗りました。
体力には自信あり! の私ですが、疲れがぬけない状態で、13時間のエコノミーフライトには、さすがにまいりました(--;
お楽しみは、3度出る機内食だけ。
軽食タイムには、カップラーメンが出ました(^^)。日本食という位置づけなんでしょうね。期待とともに、一口。
ビ、ビミョ〜ッ……(苦笑)。
麺は縮れたラーメンなのに、スープはまったくのうどんだし。機内では熱湯は出ないせいか、スープが生温く、麺の戻りも悪く。どうしてここまでスゴいものが
できるのか? 完食ならず(-人-)
ちなみに、帰りも同じものが出たので、研究の一環として、持ち帰りました。しかし、かばんをあけたら……パンク! 気圧の差のせい?
カップ麺爆弾の威力を嘆きつつ、かばんの掃除をした私です(泣)
|
|
■回 時差ぼけのまま、ニューヨークの老舗繁盛店へ。
■■ 巨大なサンドイッチに目が点!
ニューヨークに到着するなり、「今日からサマータイムです!」宣言(@_@;
4月1日の3時すぎに出たのに、3時前から視察開始とは? 時差ぼけとサマータイムぼけで朦朧としているなか、ホテルにチェックイン。即、「カーネギー
デリ」へ食事に出ます。
今回の視察は、ニューヨークのフードサービスのトレンドを体感するのが目的。すなわち、1日数食、ひたすら食べ歩くわけです。
「カーネギーデリ」は、パストラミ、コーンビーフなどがおいしいという老舗のサンドイッチ店とか。
食欲はイマイチ、という状態で店へ出向くと、大行列発見! それも、巨漢としかいえないスタイル(^^;の白人さんたちばかり。みな、常連客のようです。
この行列に、見るからによそもの、それも日本人が26名も加わったわけですから……
周囲の視線が、突き刺さるぅ〜っ(^^;!
一刻も早く、席につきたかったです。
ようやく席へ。
古田さんから、ボリュームがあるから!とさんざん警告されたので、2人で1品ずつ注文。間もなく出された料理を一目見た一行
(@o@) (^_^; (~_~;) ……
大皿からはみださんばかりの黄色い小山は、ローストビーフのサンドイッチ。チーズが多すぎて、一見しただけでは、まったくもって正体不明!
衣たっぷりのオニオンリングや甘みの勝ったピクルスもすべて大盛り。デザートのケーキは、一切れが大人の顔よりも大きい!脂っこくて、大味で、盛りつけも
ラフ……。日本人がイメージするアメリカの食事のイメージそのもの、でした。
これは今の状態の私たちにとっては、4人で1品でも厳しい。
「そして、これを食べ続けると……」
自ずと視線は、常連客たちへ……(-_-)皿が小さく見える不思議。
解説によれば、ここは「昔ながらの店」の典型例、ということでした。なるほど、納得。
|
|
■回 世界一の激戦区。
■■ 老舗も日々変化を迫られる!
ニューヨークの人口は約800万。
さまざまな国の料理が味わえるこの街の流行が、欧米や日本に与える影響はすこぶる大!しかもその移り変わりのスピードがとても速いのです。
レストランだけでも1万3000軒以上あるそうですが、老舗は稀。大半の店が、生まれては消えていく、新陳代謝の激しい街だそうです。
つまり、フードサービスにおいては、世界一の激戦区ということでしょう。
老舗も、日々、変化するニーズやトレンドに柔軟に対応していました。
たとえばシーフードが有名なレストラン「チャートハウス」。前年まではブッフェ形式だったのを、テーブルサービススタイルに変えています。
夜景が美しい立地を利用し、テーブルサービスにかえて、客単価向上をねらったのでしょう。ブッフェ形式では、セルフサービスのデリとかぶってしまいます
からね。
料理は、値ごろ感があり、ボリュームがすごい!
巨大な海老がごろごろ5本も並んだシュリンプカクテルなど。
見ただけで、おなかいっぱい!です(~_~;。
シーフードのヘルシーなイメージで、地元では人気があるようです。
が、鮮度にうるさい日本人には、ボリューム以外の魅力は、さほど感じないかも。
この店に限らず、ニューヨークのシーフードに関しては、その鮮度、盛りつけや料理の味の面で、やや不満が残りました。
|
|
■回 ラーメンブームが国外に波及中。
■■ ニューヨークでのブレイクに期待!
古田さんによると、去年は日本ブームだったとか。
「ウィリアムソノマ」の店頭に米や茶碗、炊飯ジャー、鰹節削り器まで飾られていたとは(^o^)!
でも、今年は店で箸を探すのもやっと。日本ブームの名残すら、ありません。
残念ながら、この日本ブームのときに、ラーメンが流行ることはなかったようです。そういえば、滞在中に見かけたラーメン店はたった1軒。ラーメンと書いた
提灯がさがっているのを見ただけ。行列も、もちろんなし。寂しいものです。
ニューヨークでも、麺類、パスタを食べる機会は何度かありましたが、どのレストランでも、特に印象に残るものはなく……。
味も、調理法も、食材も普通。成熟した状態なのかもしれないですが、少々期待はずれでした。
台湾、中国、ヨーロッパ、と順調にラーメンがブームになっています。ぜひ、ニューヨークにもラーメンブームが来てほしい!
非常に新鮮でインパクトがある料理として、ニューヨーカーにも受け入れてもらえそうな気がします。ニューヨーカー好みの商品の開発は、おもしろいテーマ
になりますね。
「鳥居式らーめん塾」の卒業生がニューヨークで開業してよんでくれると、私も出張できてありがたいんだけど(笑)。
|
|
■回 今最も旬の業態はデリ!
■■ 野菜中心のヘルシー志向を目の当たりに
ニューヨークで今、活気がある業態はデリ(デリカテッセン=総菜店)。マンハッタンだけで2500軒以上あるそうです。
巨大なガラスケース内にサンドイッチ、寿司やパスタ、サラダ、スープ、肉料理や魚料理などの総菜、スイーツやフルーツ、ドリンク類……が数多く陳列され
ています。
どれもカラフルで、繊細な仕事ぶり。ディスプレイにも工夫があって、おいしそうっ! 眺めるだけでも楽しいっ!
ただ、当時は円安だったので、単価が高く感じました。イチゴにチョコをコーティングしたデザートが1粒2ドル(240円弱)ですからね(--;
セルフサービス、量り売りなので、消費者はケースにほしいものをほしいだけつめ、レジで精算。これをテイクアウトしたり、店内で食べたりするわけです。
「さぞかし、ヘビーなランチなんだろうな〜。肉料理を容器に山盛りとか? さらにどっさりデザートもつけて?」
はなはだ偏った予断をもちながら、お客様の動向を観察していたのですが。
売れ筋は、チキンやサーモンのシンプルなメニュー。ボンレスサーモンとか、ツナバーグとか、骨抜きの魚加工品も人気です。
高タンパク、低脂肪、ローカロリーなメニューが受けてました!
ランチタイムとあって、サンドイッチや寿司とサラダ、という組み合わせがほとんど。ひとりあたりの野菜の量が、ものすごく多く、驚きました。
そういえば、デリの客層は、オフィス勤めの人が多く、皆、スリム&スマート。なるほど、さすがは最新流行の店(^^)
スーパーの野菜売り場のスケール、並ぶ野菜の種類もボリュームも日本よりはるかに多くて。それがどんどん売れて行く光景を目の当たりにしました。
ニューヨーカーの野菜摂取量は、日本人よりもはるかに多いのかもしれません。
野菜を多くとるニューヨークのトレンドは、日本の飲食店、そしてラーメン業界にも影響を及ぼしそうですね。
すでに、白菜がたっぷり入った「どうとんぼり神座」が繁盛しているなど、野菜ブームの兆しは見え始めています。
ヘルシーで、安心、安全な野菜を主役に据えたラーメンが、今後のラーメン界の目玉になりそうです(^^)
|
|
■回 エイジングされた肉の美味さに感動!
■■ 新商品のアイデアと意欲をみやげに、帰途へ
牛肉のエイジング(熟成)にも心ひかれました。
日本の場合、おいしい牛肉といえば、脂たっぷりの霜降り肉ですが、アメリカは赤身です。
骨や脂がついた状態で、温度や湿度を0%に保てるエイジング専用の冷蔵庫で1ヶ月近くねかせます。
当然、水分がとび、1キロの肉は700グラムくらいまで減少。乾燥し、変色変質した外側は、けずりとってしまいます(^^;。
手間ひまがかかり、量も減り、ロスも相当量出るため、エイジングされていない肉の2倍以上の単価に。
エイジングされた肉は、赤身だから当然、低脂肪でヘルシー。熟成を待つスローフードとしての価値も付加されているわけです。
エイジングの概念や手法は、日本でもブームになりそうです。
というのも、この肉が、実にうまいんです! それはもう、理窟抜きでっ!
霜降り肉=脂のうまみとはまったく別物。
一度この味を知ってしまったら、日本のステーキは脂っこすぎて食べられなくなりますよ。
特に、もう一度食べたいと思ったのは「ピータールーガー」のステーキ。レストランガイド「Zagat
Survey」誌で21年間ステーキ部門1位の店です。
1人前37ドル弱のステーキの厚さは、6〜7センチ。表面は真っ黒、かりかりに焼けていて、ナイフを入れると、ジューシーなレア状態。牛肉とは、こんなに
も濃厚でまろやかな味わいなのか!
人生最高のステーキでした。
肉のおいしさの追究と、シンプルながら奥が深い調理法へのこだわりに圧倒されました。さすがは、ステーキ王国アメリカです!(拍手!)
あいにく、ラーメンに牛肉のエイジングが直接かかわることは、なさそうです。
しかし、豚肉については検討する余地がありそう!
麦豚などの銘柄豚、無菌室で育てられたSPポークなど、付加価値をつけた豚肉をチャーシューにしているラーメン屋さんは今、けっこうあります。
では、これらのブランド豚を、エイジングしてみたら? チャーシューにとらわれないトッピングにしてみたら?……etc.
新メニューのアイデアはいろいろ出てきますね!(^^)
今回視察団に加わっていた焼き肉店のオーナーが、さっそくエイジングを取り入れたメニューを始めたそうです。
私も負けてはいられません。
帰国したらまた、テストキッチンにこもらなくてはっ!
|