食べある記隊インデックス
 
◎ 番外編 28
「鳥居式らーめん塾」卒業生ニュース
◎ 特別編 27
ニューヨーク食市場研修報告
◎ 特別編 26
第16期(京都校第3期)鳥居式らーめん塾 卒業制作発表会
◎ 特別編 25
「第13回 “麺”夢塾」レポート
◎ 番外編 27
「大成麺市場」だより(^^) 4月は8日と22日に開催!
◎ 番外編 26
第1回大成麺市場 〜工場直売会〜
◎ 番外編 25
年頭所感 2012
◎ 番外編 24
東京ラーメンショー2011
◎ 番外編 23
Noodle WORLD 2011
◎ 特別編 24
「第12回 “麺”夢塾」レポート
◎ 特別編 23
第15期(京都校第2期)鳥居式らーめん塾 卒業制作発表会
◎ 特別編 22
中国湖南省米粉視察レポート(後編)
◎ 特別編 21
中国湖南省米粉視察レポート(前編)
上海麺館 SHANGHAI MENKAN(中野区)
◎ 番外編 22
「鳥居式らーめん塾」ニュース〜スタッフブログと卒業生情報!(^^)〜
◎ 番外編 21
「鳥居式らーめん塾」ニュース〜3.11から70日が過ぎて〜
◎ 特別編 20
第14期鳥居式らーめん塾
卒業制作発表会
◎ 特別編 19
「第11回 “麺”夢塾」レポート
◎ 番外編 20
「鳥居式らーめん塾」
塾生ニュース!(^o^)/
◎ 番外編 19
「鳥居式らーめん塾」
卒業生ニュース(^^)
◎ 番外編 18
年頭所感 2011
◎ 番外編 17
「鳥居式らーめん塾」
卒業生ニュース♪(^^)
◎ 特別編 18
第13期鳥居式らーめん塾
無事終了!
◎ 番外編 16
東京ラーメンショー2010
◎ 番外編 15
Noodle WORLD2010
◎ 特別編 17
「第10回 “麺”夢塾」レポート
◎ 特別編 16
第12期鳥居式らーめん塾
卒業試食会
◎ 特別編 15
中国 雑穀麺食べある記(後編)
◎ 特別編 14
中国 雑穀麺食べある記(前編)
◎ 特別編 13
第十回 大成食品七夕の集いレポート
◎ 番外編 14
「鳥居式らーめん塾」
卒業生情報!
◎ 特別編 12
坂本一敏先生の講演
◎ 番外編 13
年頭所感 2010
◎ 番外編 12
ラーメン産業展2009
◎ 特別編 11
第10期鳥居式らーめん塾
卒業試食会
◎ 特別編 10
長谷川大さんの講演会
◎ 特別編 9
第9回大成食品七夕の集い
◎ 特別編 8
ラーメン Show in Tokyo 2009
◎ 特別編 7
大久保一彦さんの講演会
◎ 特別編 6
中国 米麺食べある記(2)
◎ 特別編 5
中国 米麺食べある記(1)
◎ 番外編 11
年頭所感 2009
中華そば へいぼん
(中野区)
らーめん つけめん 我家(うち)
(豊島区)
◎ 番外編 10
ラーメン産業展2008(後編)
◎ 番外編 9
ラーメン産業展2008(前編)
らーめん ひとふんばり
(横浜市)
◎ 特別編 4
福島鰹(株)工場見学記
さかなやらーめん (愛知県)
らーめん Nageyari (岐阜県)
麺屋 轍(わだち) (愛知県)
拉饂飩麺(らうどん)古市商店
(倉敷市)
らーめん 古丹 (京都府)
中華そば 小淀 (中野区)
◎ 番外編 8
はんつ遠藤さんの講演会
つけめん専門店 一歩
(千代田区)
麺彩房 西日暮里店
(荒川区)
◎ 番外編 7
麺食ギャラリー オープン
夢あかり (文京区)
◎ 番外編 6
ラーメン産業展2007(後編)
◎ 番外編 5
ラーメン産業展2007(前編)
◎ 特別編 3
坂本一敏氏講演
つけそば 麺彩房 五反田店
(品川区)
◎ 特別編 2
中国麺紀行
魁 (横浜市)
麺や勝 (新潟県)
◎ 番外編 4
ラーメン産業展2006
湘丸 (横浜市)
麺家一徹&
麺家一徹旭 (千葉県)
◎ 特別編 1
ニューヨークレポート
麺彩房 (中野区)
ひまわり (新宿区)
杏樹亭 (市川市)
一張羅 (埼玉県)
中村屋 (岐阜県)
つじのや (愛知県)
茶屋亭 (愛知県)
がんちゃ (山梨県)
NARUーTO (山梨県)
太陽飯店 (山梨県)
海皇 (市川市)
多久味 (江戸川区)
古奇園 (新宿区)
はやし (渋谷区)
天神屋 (文京区)
生粋 (豊島区)
夢うさぎ (江戸川区)
上々 (千代田区)
◎ 番外編 3
イベントレポート2
麺好 (中野区)
ジャンボ (新宿区)
満月のラパン (渋谷区)
グラバー亭 (練馬区)
◎ 番外編 2
イベントレポート1
◎ 番外編 1
大成食品(製麺工場)
甚六亭 (豊島区)
 
鳥居式らーめん塾
大成食品のラーメン店開業・運営支援
 

★ 食べある記隊出動記録(55)

つけめん専門店 一歩
東京都千代田区
東京メトロ銀座線 末広町駅 / JR 秋葉原駅

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※この情報は取材当時のものです。メニューや営業時間は変更となっている場合がございますので、あらかじめご了承ください。


☆主なメニュー
つけめん 730円
辛味つけめん 730円
@麺は 小200グラム、
     並300グラム、
     大400グラム 均一料金
   
★3月中旬より 夕方〜夜営業時間
帯で下記メニューも提供予定。
・北海道産味噌を使用した
「味噌つけめん」
830円
・特製辣油が味噌味を刺激的
に!「味噌辛味つけめん」
830円
・スープで煮込んだ野菜が味の
決め手「野菜つけめん」
850円
住所:東京都千代田区外神田3-8-7 神栄ビル1F
    ◆東京メトロ銀座線 末広町駅3番出口から蔵前橋通りを        
    妻恋坂方面へ歩いて2分。
    またはJR秋葉原駅電気街口より徒歩8分。
電話:03-3256-0600
営業時間:11:00〜21:00
       ☆ただしスープが終了し次第、閉店。
       ☆禁煙
定休日:毎週火曜日。
席数:カウンター15席・禁煙

■回 昨年10月開店の「つけめん専門店 一歩」
■■ 秋葉原電気街の一角でブレイク中!

今にも雨が降り出しそうな午後。
食べある記隊の鈴木&山内隊員はJR秋葉原駅電気街口で落ち合った。荻原隊長代理は現地集合で少し遅れると連絡あり。
アキバ名物のメイドや制服のコスプレ嬢たちをかきわけつつ、電気街を急いだ。
平日の午後の中途半端な時間だというのに、この街はあいかわらずの大混雑。あたりを闊歩する年齢層は、10代後半−30代といったところか。

今回の訪問先は「つけめん専門店 一歩」。大成食品の開業支援を受けて昨年10月16日にオープン以来、連日数百食を売り切る盛況ぶりだとか。
「繁盛店店主になる秘訣が伺えそうね(^^)」
「秋葉原で人気のつけめんってどんなお味なのかしら。楽しみっ♪(^Q^)」
と盛り上がりながら歩けば、たちまち東京メトロ銀座線の末広町駅入口に到着。
電気街のメインストリートから左折して蔵前橋通りへ入ると、ぐっと落ち着いたビジネス街に変わる。
一の文字を強調した店名ロゴが描かれた看板が、くすんだ色合いのビルを背に、ほの白く浮き上がって見えた。
黒く縁取られたガラスばりの店舗が目的地。目をこらせば、お店の先にもうひとつ黒い外装のお店を発見。軒下には巨大な白骨が!……ということは、「元祖一条流がんこラーメン八代目」の向かいなのだ。さらにその奥にもラーメンと書かれた看板が見える。
この環境で日に数百食売り上げるとは……!
期待に胸を膨らませる隊員たちなのだった。

「そうだ、雨が降り出す前に外装の写真をとらなきゃ!(^^;」
と撮影をはじめた両隊員の前を、黒いユニフォーム姿の男性がよぎった。
空き段ボールをはこんでは、黙々と潰し、折り畳んでいる。
「熱心にお仕事されてるな〜。スタッフの方かな〜?」
まじまじと眺めていたら、目があってしまった。
額の汗をぬぐいながら、とびきりの笑顔でお辞儀してくださったのが、店主の小林一美さん(58)だった。

小林さんのスマイルにうながされて店内へ。
15席のカウンターのみのこじんまりした店内。
白木の板と銀色のトタンを使った店内はほんのりレトロなニュアンス。カウンターの上に、トタン屋根がかかり、電球が無造作に下がるデザインもユニークだ。

■回 開業準備は3年がかり。
■■ 
店主のこだわる「成功の秘訣」とは?

清潔感漂う白木のカウンターに腰掛けると、店主の小林さん自らお冷やをだしてくださる。細やかに気を配り、自ら率先して動く方、という印象だ。
さっそくインタビュー開始!φ(^^)人(^^)/"

「23歳のときにコーヒー店の経営者になりました。
らーめん店の経営は初めてなので、はじめの一歩、という意味と、一歩ずつ着実に、がんばって進んでいこうという想いをこめて、店名を一歩としました(^^)」

珈琲館ののれんわけという形で経営者となった小林さん。
コーヒー店を11年、立ち食い蕎麦店を20年、串焼き店のあと、3年ほどの開業準備期間を経て、現在のお店を開いた。
飲食店経営者としては30年以上ものキャリアをもつベテランだ。

「私が成功のために常に心がけ、実践してきたことは、既存店とは違う店づくり、差別化です。
一昨年の8月にらーめん店を開こう!と考え、まずはあちこちの店を食べ歩くところから始めました。繁盛店、名店と呼ばれるお店を巡り、お客様の入り具合をチェックしつづけるうちに、お店のレベルを推測できるようになりました。
結論としては、らーめんの場合は味で差別化が可能。おいしいつけめんの専門店ならインパクトがあって差別化でき、行列店になれるのではないか、と考えました」

コンセプトが決まったあとは、出店する場所探しに奔走した。
都内はもちろん神奈川、埼玉、千葉……首都圏の主要都市を見て回った末に、秋葉原での出店を決意した。
ビジネス街であり繁華街であり、全国どころか海外からも訪れる人々が絶えない。ラーメン、つけめんを好む層の人々で平日、土日問わず、常時にぎわっている。繁盛店を目指すなら、絶好の立地に思えたのだとか。さっそく秋葉原の物件を探し始めたのだが……
「なかなか物件がでなくてね……(^^;」
秋葉原での開業を決意して実に1年半もの間、待ち続けることになった。

待機中は並行してらーめん修業を始めようとした。
たくさんの繁盛店を食べ歩き、ここぞ、というお店に修業させてほしいと頼んでみたが、ことごとく断られてしまった。

「なにしろ、50代なかばですからね。年齢制限にひっかかってしまって……(^^;」
小林さんのお店創りのコンセプトで最も重要な柱は味だった。なのに、年齢の壁のせいで修業させてもらえる有名店がみつからない。では、味で定評があるコンサルタントはいないかと業界誌を調べはじめ、大成食品の存在を知ることに。
一昨年10月に開業支援を依頼した後、「麺彩房」で念願のラーメン修業を経験できたという。

「つけめん専門店 一歩」自体の味創りに関しては、店舗工事が終わった直後から特訓スタート。
「私は年だし、らーめんは初めてだし、たぶん、覚えが悪かったからなんでしょうねえ。(開業支援担当の)福井さんにはずいぶん絞られました。ほかの方の二倍の期間、指導をお願いしましたよ(^^;」

真向かいにある繁盛店には、開業前にきちんとご挨拶をしたものの、競合店だ、といたずらに敵愾心を燃やすようなことはなかったという。
「こちらはつけめん専門店。お向かいのお店や他のらーめん店とは違ってらーめんは扱わないし、味の傾向も違いますから。他所のお店のことは関係なかったんですよ」
さらりとつぶやいた言葉に、小林さんの自負が伺えた。

■回 開業後わずか5ヶ月で平日500玉、
■■ 週末600玉売れる繁盛店に成長!

店名通り、一歩一歩着実に開業準備を進めた小林さん。
満を持して昨年10月16日にオープンした。
「勝つことを考えない、負けないことを考えろ」
と自らを鼓舞しながら、6人のスタッフとともに奮闘した。

付近の会社につとめる人々を中心にリピーターが続出。ブログ等で紹介されると土日に大行列ができるようになった。
つけめんというメニューの場合、一般に冬場は売れ行きが鈍る。しかし冷え込みが厳しくなるにつれ、売り上げが上昇。一般に景気が悪いといわれる2月はさらに飛躍し……
「今や、平日に大成食品さんから届く麺は500玉。土日は二日で1200玉出ます」
と、堂々たる繁盛店になった。
「秋葉原でつけめん専門店を」という小林さんの狙いがズバリ的中したわけだ。

「いやあ、この規模のお店で葱切り機を見るとは! でも平日500玉売れるとなれば、納得だわ〜(@@)」
厨房内を観察していた鈴木隊員も感嘆の声をあげた。


「こちらのお店の味創りのポイントは?φ(^^)」
という質問には、
「福井さんに教わった『麺彩房』のつけめんレシピをベースに、差別化を意識して特徴を出しています」
訥々と語っていた小林さんの瞳が、キラリと光った。
「ど、どのような特徴!?φ(@@;)(@o@)」
思わず身をのりだしたところに、荻原隊長代理も合流。3人でじっと小林さんの回答を待つ。

■回 秋葉原電気街で大人気
■■ 
「つけめん専門店 一歩」の味創りに迫る!

店主の小林一美さんが秋葉原電気街の一隅に「つけめん専門店 一歩」を開いて5ヶ月たらず。
カウンター15席のお店で、今や平日400食以上、土日は600食近く売り上げるという。こちらのつけめんのお味も「麺彩房」系だそうだが……

「オープン後の立ち上がりのよさといい、売れる杯数といい、素晴らしいですね。どんな作り方、仕掛けがあるんですかっ?(@▽@)(☆o☆)」
身を乗り出して迫る鈴木&山内隊員。遅れて合流した荻原隊長代理もじっと小林さんの回答を待つ。

「(開業支援担当の)福井さんに教わった通り、ですよ。『麺彩房』より鶏が多い感じかな?」
小林さんによれば、毎日、54センチサイズの寸胴2本分スープを仕込むという。
肉系の材料は大山鶏の丸鶏、ガラ、モミジ等と、豚の背骨が中心だ。「麺彩房」で用いる豚のゲンコツは入らない。
魚介系はウルメ、煮干し、鯖節、昆布、椎茸等が入る。沸騰後3時間後に煮干し、鯖を入れ、4時間後にウルメを加える、という時間差攻撃(^^)で、とろみ、コクを加えるために米も入れる。
野菜は玉葱、人参、生姜、大蒜、葱を使用。
7時間ほど炊いて、Brix8.5の濃度に仕上げている。
これに「麺彩房」と同じ特製醤油ダレ、甘酢、一味等を加えるそうだ。

香味油は、鶏油とラードを1対1の割合であわせたシンプルなもの。
「私がエビアレルギーなのでf(^^;」
という事情につき、「麺彩房」ではおなじみのエビ油は入らない。卓上に置かれた「かつお粉」をお好みで加えれば、魚介の芳香と旨味を添加することも可能。ちなみに、
「かつお粉は宗田節粉100%です(^^)」
とのこと。

辛味つけそばには、特製ラー油を用いる。潮州辣椒油、葱油、朝鮮唐辛子、一味等をあわせた自家製香味油だ。
潮州辣椒油とは、中国広東省の潮州地方独特の具入りラー油。中国山椒、唐辛子の塩漬け、大蒜、砂糖等も入っていて、単体で点心のつけダレにもなるが、葱油をあわせることで、香ばしく甘い風味に。さらに複数の唐辛子で深み、厚みのある辛さを演出できる。

■回 12番の切刃を使った極太麺
■■ 
極太&均一料金にこだわる店主の狙いとは?

麺は大成食品製の「つけめん専門店 一歩」用特製麺だ。
低かんすい、多加水の極太ストレートタイプ。「麺彩房」用特製麺と同じ配合の生地を、12番の切刃でより太く仕上げている。

ちなみに、切刃の数字はJIS規格によるもので、幅30ミリに対する麺線の本数を表している。
過去の記事でご紹介した「麺彩房」つけめん用特製麺は15番の切刃を用いているから、30÷15=2。1本の麺は2ミリ幅になる計算。
「つけめん専門店 一歩」用特製麺は30÷12=2.5。麺の幅だけをとれば2.5ミリだ。
生の状態では1本の麺の幅の差は0.5ミリとごくわずか。ただ、ゆでれば倍以上に膨らむし、生地の厚みも幅にあわせて厚くしてある。結果として、見た目、口内での感触,食べごたえ……ぐんとインパクトが出るのだった。

「実は、福井さんからはスープとのバランスという意味で、もっと細い麺を提案されたんです。でも、つけめん専門店と名乗っている以上、麺でインパクトを出したい、アピールしていきたい、と思って、12番の極太麺にしました(^^)」
「差別化」を常に志向する小林さんらしいこだわりだ。

この極太麺を、小は200g、中300g、大400gすべて730円均一で提供している。このボリューム感、お値打ち感も、「つけめん専門店 一歩」の強みだろう。

「小麦価格の高騰で、麺の価格も上昇傾向なのに、均一料金で、なんて、大盤ぶるまいじゃないですか! しかも大盛りが大人気、なんて……だ、大丈夫ですか〜(^^; 300人のお客様がみんな大盛りにしていたら、大盛り100円として、300×100=30、000円も売り上げがのびるじゃないですか〜。みすみす儲けのチャンスを逃しているようなッ気がするっ!"\(☆▽☆)/"」
麺を大盛り有料にしたほうが、利益がぐんと上がるのでは?という山内隊員のツッコミに、小林さんはこう応えた。

「この近辺におつとめの30代くらいの男性のお客様が多いですからね。皆さん大盛りを注文なさいます。そしてリピーターになってくださる。……それが私の狙いですp(^^)q」

他の繁盛店を食べ歩いていたころ、大盛り有料と設定した店はランチタイムサービスでごはんをつける傾向があることに気付いた。過酷な生存競争を勝ち抜くため、他店との差別化、集客のためにランチタイムに無料でごはんをつけざるをえなくなったと解釈した。
自分のお店のことを考えた場合、ごはんを出すなら、限られた厨房スペースに大型の炊飯器を置かなくてはならない。「無料」のために米を仕入れ、米を炊く手間、もる手間等が必要になる。開店当初の不慣れな時期に、しかも最も忙しいランチタイムに、オペレーションがより煩雑になる……。
これらの点を考慮すれば、麺を均一料金にして1食で満腹になっていただくほうが「つけめん専門店」としてのコンセプトにかなう。卓上の調味料類の隣に、使い放題のかつお粉を置いたのも、大盛りを最後まで飽きずに召し上がっていただくためのサービスであり、「狙い」だった。

「なるほど〜。つけめんに絞りこめば余計なコストが発生しないし省スペース! スタッフ側も接客に余裕ができてサービスの質が向上しそう。シンプルだけど深い戦略だわ〜"φ(^o^)」
「さすが、飲食店経営歴30年以上のべテランですね(^^)」
「なんだか、今日一日で繁盛店創りのツボをずいぶん学んだような気がするぅ〜(@_@;)」
お互いに顔を見合わせ、うなずきあう一行であった。

■回 次のステージに向け新メニューを投入
■■ 
繁盛店主の描く将来の夢とは?

開業して5ヶ月。立ち上げの疾風怒濤の時期を終え、そろそろ次のステージに向けて動きだす時期だ。
小林さんの場合、次の一手とは「新メニューの展開」。一気に3品追加するという。
「3月中旬から北海道産の味噌をつかった味噌つけめん、味噌辛味つけめん、そして野菜つけめんを始めます。野菜つけめんは、他のお店と違って、スープでキャベツ、もやしを煮込んで作りますから、野菜の旨味が出ておいしいですよ〜。ご期待くださいね。ただし、お昼はどうしても厳しいのでまずは午後3時以降のすいた時間から試験的に始める感じになりますかね。
この新メニューが軌道にのったら、夏前くらいには平打ち麺も出して行こうかと。一歩ずつ、着実にメニューを増やしていこうと思っています(^^)」
無理なことはしない。でも「負けないために」一歩ずつ着実に歩みを進める。それが小林さんの経営方針であり、人生哲学なのだろう。

将来の夢を伺うと、小林さんの視線が厨房内に注がれた。
テキパキと働くスタッフひとりひとりを見つめ、ふっと微笑む。その横顔がとても……やさしい。
「私ものれんわけという形で独立しましたからね……スタッフにも将来的にはのれんわけというかたちで、送り出してあげたいです。らーめん(店の経営)は初めてだったから、スタッフにずいぶん助けてもらったのでね……」
従業員として身を粉にして働いて認められ、23歳で晴れて独立したことが、経営者人生のスタートだった。
当時の勤め先のオーナーがのれんという名のバトンをわたしたように、自分もまた「一歩」のバトン、「自分の城をもつ夢」をスタッフに託したいという。

スタッフへの愛と託したい夢がある。
小林さんが成功した秘密の一端が伺えたような気がした。

■回 定番の「つけそば」、
■■ 
人気メニューの「辛味つけそば」を試食!

お待ちかねの試食タイム。今回はメインのつけめんと辛味つけめんを作っていただいた。食べある記初参加の荻原隊長代理は、辛味つけめんに没頭する女性陣の勢いに気圧され、つけめんしか試食できなかった(^^;

★つけめん (730円)

:大成食品製「つけめん専門店 一歩」専用特製麺。低かんすい、ストレートタイプの極太麺。切刃は12番を使用。
写真は並300g。小200g、大400gも均一料金。
:長ネギ、極太切りのチャーシュー、メンマ、のり
スープ:大山鶏の丸鶏、胴ガラ、モミジ、豚の背骨、ウルメ、煮干し、鯖節、昆布、椎茸、ネギ、大蒜、人参、生姜、米など。
6−7時間ほど炊き、Brix8.2に仕上げた濃厚魚介系スープ。
タレ:特製醤油ダレ、甘酢、一味等。
オイル:鶏油とラードを1対1であわせたもの。

お好みトッピングの「かつお粉」は宗田鰹100%。



<隊長代理感想>
荻原:「麺彩房」系のスープは長時間炊きの濃度が決め手です。こちらのお店は、厨房施設と短時間炊き等の制限があること、エコなレシピの追究ということで、「麺彩房」本店レシピをかなりアレンジしてご提案しています。豚よりも早く濃度が出せる鶏を増やしたので、従来の「麺彩房」系にない新鮮み、個性が出ているはずです。Brixは「麺彩房」より低いですが、鶏の甘み、風味と、隠し味の米がきいていているハズ(^^)。今日いただいたスープは、軽やかであっさりとした仕上がりでした。正直申し上げて、開業支援の際にご提案した(12番より細い)麺のほうが、このスープとのバランスは良くなります。ただ、小林さんが堅持された極太麺ならではのインパクト、差別化策が、この立地と客層にぴたりとあって繁盛したのでしょう。今後、平打ち麺も出していかれるご予定とのこと。このスープに形状の違う麺をあわせるとまた違う魅力が出そうですね。期待しております!

鈴 木
 ゴロゴロ、ザクザクと入った具の大きさに衝撃を受けました。こんな食べごたえのある大きさの具が入ったつけめんは、「麺彩房」系では初めてかも。チャーシューは脂身もしっかり入り、ソフトでジューシー。自家製のメンマも極太ではありますが、柔らかめで味付けはしっかり! きちんと持ち味を出していましたね。
極太麺は、麺だけでおいしいこともあり、一気に食べてしまいました。宗田鰹100%の粉もポイント! 麺にまぶしても、スープにまぜてもそれぞれ風味や味わいがかわってきて、楽しめました。個人的には、つけ汁にたっぷり加えた食べ方が一番気に入りました(^Q^)。

山 内
 「麺彩房」系のつけめん、と思って食べたら良い意味で裏切られました! 極太麺は……確かに太いのですが、ほどよいゆで加減、しめ加減で○。これはうどんではない、らーめんなんだ!、と食感、コシ、風味で主張していました(^^)
もりつけられたお皿の大きさもあって、「太っ! でも量は並といえどたいしたことなさそう〜」なんて思ったら、とんでもない! 食べすすめるにつれ圧倒されるボリュームにびっくり。ってことは、私もまんまと小林さんの狙いにハマっちゃったわけですね(^^)。
スープは甘酸っぱさは控えめ、さっぱりと軽い味わいです。シンプルな鶏油+ラードという風味がむしろ新鮮でした。このやさしい味わいのスープで12番の極太麺をどっさり!食べる……小林さんの狙いどおり、すごくインパクトがあるんです。730円で、「太くておいしい麺」を「おなかいっぱい食べた!」って納得、満足、そしてある意味達成感が得られる感じ。リピーターが多いのもうなずけます。スープの印象を一変させてくれるかつお粉も、リピーターのハートをわしづかみする要因でしょうね。

★辛味つけめん (730円)

麺、スープ、具は共通。
オイル:潮州らー油、葱油、朝鮮唐辛子、一味等をあわせた自家製の辛味オイル。

鈴 木
 つけめんの香味油を特製ラー油にかえただけでも、劇的に変身するんですね。濃度は「麺彩房」には及ばな
いとはいえ、他店のスープ濃度に比べたらかなり高いわけで、スープ自体の深みがあってこそ、の魅力的な変身、
って感じかしら(^^)。自家製のラー油は、見た目ほど辛くなかったです。辛い、というより美味辛、ですね。「潮
州辣椒油」って初耳なのですが、この効果なんでしょうね、新鮮で鮮烈な香りの印象が残っています。おかげで食
が進んで、並を一気に完食してしまいました。
チャーシューは「麺彩房」同様のあの貴重な柔らかい部位を使用と
いうことです。チャーシュー好きな私がしっかりさらっていただきました。豪快な太さに満足です。自家製メンマ
とともに、存在感ある具はインパクトある麺にもスープにも負けてませんね!

山 内
 辛味用のオイルが入るだけでスープの印象がまったく変わりました。驚き!(@@) 単にスパイシーになっただ
けではなく、大蒜、中国山椒、葱の香ばしい風味やコク、うまみ、甘み等も添えられて、「甘酸っぱくて辛い」明
快でインパクトある味わいに。
辛さは見た目ほどではないほどよいレベルで好みです♪ 存在感たっぷりのチャーシュー、メンマとあいまって、
麺がどんどん進みます。さらにかつお粉をかけると、辛みがマイルドに、味わいも新鮮になってオツよねえ〜とま
た麺が進み……これなら、大盛りでもいけたかな〜と思った次第。こちらのお店では4割の方が辛味つけめんをチ
ョイスされるとか。他店に比べかなり高い比率になるのもうなずけるお味でした。
個人的には,新メニューとして
登場する3品も試食したかった〜♪ この先に計画されている平打ち麺にも興味津々です(^^)!


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