| 拉麺 一張羅(いっちょうらい) |
埼玉県比企郡ときがわ町
東武東上線 小川町駅
地図→
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※この情報は取材当時のものです。メニューや営業時間は変更となっている場合がございますので、あらかじめご了承ください。 |
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☆主なメニュー
| しょうゆら〜めん |
650円 |
| つけめん |
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| (並 麺300グラム) |
750円 |
| (大 麺400グラム) |
850円 |
| 塩ら〜めん |
750円 |
| みそら〜めん |
750円 |
| ワンタンめん |
700円 |
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| ◆トッピング |
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| 白髪ネギ、バター |
各100円 |
| 辛口味付ネギ、メンマ |
各150円 |
| チャーシュー |
200円 |
| 味玉子 |
80円 |
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住所:埼玉県比企郡ときがわ町玉川2903-7
◆東武東上線小川町駅より車で約10分。タクシーに乗った
ら、八高線の「玉川県道踏切」の手前100mあたりにある
ラーメン屋さんへ、と伝えればOK。「Pラーメン」と書いた
赤い大きな看板が目印。
◆都心からは関越高速道路 東松山IC下車、20分弱。
ICをおりて254号線を寄居、小川方面へ向かい、「嵐山
渓谷入口」交差点を左折し、県道173号線へ。「新玉川
橋西」交差点を右折すると、八高線「玉川県道踏切」。
踏切を越え、100メートルほど直進すると右手に「Pラー
メン」と書いた赤い大きな看板がある。
駐車場:6台
電話:0493-65-5826
営業時間:11:30-14:30 17:30-21:30
ラストオーダー 20:45
定休日:毎週火曜日
席数:カウンター5席。テーブル2×2席、小上がり6×2席 |
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■回 訪問先は埼玉県ときがわ町の「拉麺 一張羅」。
■■ なんと、<石神本>の取材を拒否したお店っ!?
名古屋遠征以来、久々の出動となる「食べある記隊」。
仕事の都合により、鳥居隊長は欠席。大成食品の開業・運営支援スタッフの福井さん、鈴木、山内両隊員が、中野に集合。埼玉県比企郡ときがわ町の「拉麺
一張羅(いっちょうらい)」目指して、車に乗り込んだ。
「埼玉なのに、わざわざ車で向かうということは、ロードサイド立地ってことですね?」
「ロードサイドというか何というか……(笑)。町村合併で今はときがわ町になったけど、もとは玉川村ってところだったんですよ」
「玉川村……? えーっと、最寄り駅は、どこですか?(^^;」
「地図上では明覚駅だけど、歩いたら30分はかかりますね。東武東上線の小川町の駅からタクシーが、一番便利じゃないでしょうか。バスも日中は1、2時間に1本しかないから、全然使えないんです。
今日伺うお店は、60代のご夫婦が切り盛りされてるんです。もとは、炒め物やチャーハンもあるような普通の中華料理店でした。
でも我々がお手伝いしてリニューアルしたあとは、あの<石神本>に、取材拒否の名店として紹介されたんですよ!」
福井さんは、うれしくてたまらないという口調!
<石神本>とは、「本当にウマイラーメンだけをラーメン王・石神秀幸が300軒集めました―首都圏ベストラーメンガイド2006」(双葉社スーパームック 980円)のこと。毎年末に刊行される<石神本>は、全国のラーメンファンだけでなく、マスコミや業界内にまで多大な影響を与えている。
「ええっ、<石神本>の取材を拒否ぃ〜っ? お金を出してでもぜひ載せてもらいたい!ってお店がゴマンとあるのに。なんてもったいないことをっ!
……はっ、ま、まさか『一張羅』のご主人って、すご〜く気難しい方なんですか?」
「いやいや〜。取材拒否の真相は、ご主人から直接伺ってくださいね(笑)」
「はぁ〜ぃ……」
味は石神氏お墨付きとはいえ、交通不便とおぼしき立地の新店なのに、取材拒否だなんて。まったく解せない!
期待と不安に口ごもる両隊員を尻目に、
「次、500メートル先、左です」
「次、左です」
カーナビだけが饒舌なのだった。
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■回 都心から車で約2時間で到着。
■■ <石神本>取材拒否のお店の雰囲気は……!?
県立歴史資料館を左手に、小川バイパスを10分ほど直進する。郊外の道のせいか、通行量はさほど多くない。下道でも快適なドライブだ。
嵐山渓谷入り口交差点を左折すると、いきなり田園風景が広がった。ゴルフ場や玉川温泉への案内板がちらほらと立つ道は、すれ違う車もまばら。
「のどかですね〜」
「いったい、どこにラーメン屋さんがあるの?」
「ほら、今左手にあったお店が、この辺で一番の繁盛店。自家製麺が売りらしいですよ。
さて、確か、この辺で右に曲がるはずなんだけど……あれっ? カーナビがナビを放棄してるっ!」
一瞬、パニックになった車内。ひとまず、直近の交差点で右折してみたところ、八高線の踏切が見えた。踏切を越えると、右手に「P ラーメン」と書かれた赤い看板を発見!
「無事に着いてよかった〜」
「時間も2時ぴったり。いいタイミングですね」
一同大喜びで、車をおりる。
駐車場は6台分確保されているが、道幅は広いし、交通量も少ないので、多少融通がききそうだ。
新緑や紅葉のころはさぞかし風光明媚だろう、と思われる里山を背に、白い二階建てのお店が立っていた。焦げ茶の板ばりのファザードには「拉麺
一張羅」の白い文字。春めいた風に、白いのれんがはためく。シンプルだが、周囲の風景にしっくりなじんでいる。
「こんにちは!」
のれんをくぐると、「いらっしゃいませ」と穏やかな声が。
店主の前川政外(まさと)さん(68)、久子さん(62)夫妻が、笑顔で迎えてくださった。
「こんな遠いところまで、わざわざありがとうございます。取材なんて、どうしたらいいのかわからないんですが……」
厨房から、ちょっと顔を出す前川さん。年齢よりもずっとお若く見える。
ランチタイムがまだ終わらないので、先に試食、それからインタビューを、という段取りとなった。しょうゆら〜めん、塩ら〜めん、つけめんの並を注文し、店内右手の小上がりに落ち着いた。(試食レポートは、次号でご紹介します)
奥様の久子さんが、コーヒーを出してくださった。
「ごめんなさいね〜、ミルクは今、これしかなくって〜」
恐縮しながら差し出したのは、小袋入りのクリームパウダーがひとつ。
「いつもブラックですから、おかまいなく〜(^^)」
気取らない笑顔や穏やかな雰囲気に和む一行。遠慮なく、熱いコーヒーをすするのだった。
「な〜んか、想像していたご主人像とは違うわ〜。お二人とも実年齢よりずっとお若いし、癒し系って感じのお人柄だし〜」
「じゃあ、いったいなぜ取材拒否しちゃったのかしら?」
「うーん?」
疑問は募る一方だ。
ら〜めんが出るまで、店内の様子を観察することに。春めいた日差しがたっぷり入り、とても明るい。ベージュ〜茶系でコーディネートしたこじんまりしたフロアは、素朴で落ち着いた印象。余計な装飾や掲示類はいっさいなく、木製の椅子やテーブルも、ごくシンプルだ。
改装後1年弱とはいえ、お二人のかもしだす雰囲気ゆえだろうか。すでに、しっくりとこなれた雰囲気が漂っていた。手描きのメニューの文字は達筆なのに、ふち飾りや丼のイラストがぎこちないのはご愛嬌☆。
2時をまわっても、作業服や背広姿の中年男性、ご近所さんと思しきお年寄りなど、お客様がひとり、またひとりと入ってくる。しょうゆら〜めんと半ライス(50円)という組み合わせが、よく出ているようだ。
会計のときには、必ず厨房に声がかかる。
「おいしかったよ」
「ごちそうさま!」
「ありがとうございます、またどうぞ!」
ご夫妻の朗らかな声が店内に響く。
カウンターに座っていた白髪のお客様は、会計が終わったあとも、久子さんにあれこれと話しかけている。
「…そうねえ」
「そうそう、元気ださなきゃ!」
久子さんは、てきぱきと手を動かしながらも、笑顔で答えている。
店内に差し込む光が、そんな二人をやさしく照らし……実に、絵になる!
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■回 悪立地に悩んで大成食品に支援を依頼。
■■ こだわりのラーメン専門店として再出発!
ようやく手があいたご夫妻にお話を伺う。
店主の前川さんは、30年以上のキャリアをもっている。
「以前はさいたま市内で27年、居酒屋を営んでました。でも、年齢とともに昼夜逆転の生活がきつくなり、朝始めて夜終えられる仕事をしたくなったんです」
もともとラーメン好きで、都内の有名店の食べ歩きを重ねていた前川さん。6年前に、不動産業者のすすめで、現在の場所に自宅兼店舗を購入。ラーメン店を開業した。
「町村合併する前は、ここは玉川村玉川だったので、『玉川軒』って名前にしました」
このときのラーメンは、まったくの自己流。居酒屋での調理経験と、食べ歩きの経験から試行錯誤して作り出した味だった。
「なにしろ、場所が悪いでしょ。『東松山だ』って不動産屋さんは言ってたけど、だまされちゃったわね〜(笑)」
と久子さん。
県道ぞいで踏切のそば。不動産業者の話では好立地に思えたが、実際に開業してみると、店の前の道の交通量が予想外に少なかった。バス便も日中は1、2時間に1本。地元の人々にお店の存在を知ってもらうこと自体、難しい立地だったのだ。
こんな悪立地にもかかわらず来てくださったお客様だもの、精一杯もてなそう! そんな思いから、ご夫妻は常連客の意見をよく聞き、リクエストには素早く対応してきた。
ラーメン類に加え、チャーハンなどのご飯もの、お得な定食類、アルコールと酒のつまみ、ソフトドリンク……。メニューはどんどん増えていき、おのずと食材等のロスもかさんだ。
「このままではいけない!と思ったときに、大成食品さんに出あったんですよ」
昨年2月末に、中華料理の専門誌に掲載されていた広告で、大成食品の存在を知った前川さん。すぐさま電話で面談のアポをとりつけ、大成食品本社にかけつけた。アンテナショップである「麺彩房」もその足で視察。ラーメンやつけめんを試食し、「麺彩房」系の味で再スタートを切ろうと決断した。そのまま2日ほど、「麺彩房」の厨房で研修していったという。
「すごい行動力ですね!」
「な〜に、私が運転すれば、中野まで1時間半でついちゃいますから!」
ポンと胸をたたく前川さん。
68歳という年齢や落ち着いた雰囲気からは想像できないほど、フットワークの軽い人なのだった。
速やかに運営支援の計画ができあがり、3月には店舗の改装工事に着手した。
工事中、前川さんは「麺彩房」の厨房で修行を重ねた。工事が終わった4月からは、福井さんらサポートスタッフの助言を受けながら、久子さんとともに開店準備に没頭……。心身ともにハードな日々が続いた。
しかも、「麺彩房」やサポート担当のスタッフたちは、30〜40歳ほども年下だ。30年のキャリアとプライドが邪魔をして、素直になれなかったこともある。つい声を荒げてしまいたくなる日もあった。そんな前川さんを、
「ふたりで、がんばろっ!」
久子さんは、明るい笑顔で支え続けた。
ラーメン専門店へリニューアルするにあたって、前川さんは店名を「拉麺 一張羅」にあらためた。
一張羅は方言風に「いっちょらい」と読ませる。一番の晴れ着という意味の言葉に、「ひたむきに作り上げた最高のラーメンを、お客様に提供していきたい」という心意気を託している。
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■回 リニューアルで客層が激変。
■■ インターネットの口コミで人気に!
2005年5月21日。
満を持してリニューアルオープンした「拉麺 一張羅」。だが、開店直後から予想外の事態が次々と起こった。
「魚介の風味が強いラーメンが、なかなか受け入れてもらえなかったんです。このあたりだと、いわゆる中華料理屋の中華そばのほうが受けがいいようで……。好き嫌いがはっきり別れる味だったんでしょうかね。定食などのメニューもなくしてしまったので、前の店から引き続いて来てくださるお客様が、すっかり途絶えてしまいました。
また、このあたりでは、つけめんにあまりなじみがないようでした。最初につけめんを注文されたお客様から、辛い、辛いと叱られました。それに、最後のスープ割なんて、頼む方が全然いませんでしたし……。
ただ、麺好きな人が多いのか、つけめんは並よりも大のほうが人気がありますよ。並は300グラム、大は400グラム。並でも都内の店の大盛りにあたる量なんですがね。さらに、大の大盛りはできないか?という注文までしばしばありましたよ(笑)」
リニューアル後は、「定食があって、お酒も飲めて」という前のお店のスタイルを好んだ常連客の足は、すっかり遠のいてしまった。
かわりに、新たな客層を広範囲から呼び寄せたのが、インターネット。
この地に新しくラーメン専門店がオープンするという情報が、事前に広まっていたのだろう。開店直後から、県内近郊はもちろん、都内や遠くは横浜方面から、若いお客様がいらしてくださったと、久子さん。
「わざわざ来た甲斐があった、と喜んでくださったお客様がね、ご自分のホームページに紹介してくださったんですよ。そうしたら、ネットで見ました、なんてお客様がいっそう増えたんです! 不思議ですよね〜。私たち、インターネットもパソコンも全然わからないのに〜(笑)」
記念すべき「ネットデビュー」の記事は、印刷して額に入れてある。
この記事が波及したのか、あちこちのサイトで「一張羅」のラーメンが紹介されるようになったという。お客様経由で手に入れたプリントアウトの束を、久子さんが厨房の奥から大事そうにもってきてくださった。
「田舎だから、遠くから見えるお客様は大変ですよ〜。『今、明覚駅につきました。道がわからなくなったら、また電話します』なんて調子で、何度も電話をかけては探し当ててくださった方もありましたね(笑)。ありがたいことです」
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■回 いよいよ解明!
■■ <石神本>取材拒否の真相は……
こうしたネットでの評判が影響してか、開店2ヶ月もしないうちに、取材の申し込みが続々と舞い込むようになる。
「埼玉県内のラーメン店のガイドブックの取材は、ぜひ載せて欲しかったので、受けたんです。でも協賛企業や競合店との兼ね合いで、結局、載せてもらえませんでした」
落胆していたところに、広告記事として掲載するための有料取材の依頼があいつぐ。<取材はお金がかかる!>と思い込んだお二人は、その後の依頼をすべて断ってしまったそうだ。
「だからね〜、福井さんに教えていただくまで、石神さんの取材を拒否してたってことに、全然気付いてなかったんですよ〜(笑)。電話がかかってきても、『うちは取材は受けません、ごめんなさい』の一点張りだったから。
もちろん、石神さんがお店にいらしたのは知っていたんだけどね〜」
石神氏が来店したときの様子を、久子さんが身振り手振りをまじえて再現。
ラーメンの味はもちろんのこと、こんなご夫妻の人柄に石神さんも好感を抱いたのだろう。福井さん曰く、
「石神さんは、このお店をいい感じに紹介してくださってましたよ。記事を見て来てくださるお客様がまた増えそうですね! でもやっぱり、ちゃんと取材してもらっていればよかったのに、とは思いますが……」
福井さんの嘆きに、一同大笑い。
予想外な理由ではあったが、<石神本>取材拒否の謎は、無事、解明されたのだった。
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■回 ラーメン王をうならせた
■■ 味の決め手はこれ!
「一張羅」のスープは、ダブルスープ製法を採用。肉系のスープに、ウルメ節、宗田節の風味をきかせた和風だしをあわせている。
肉系のスープは、朝8時にゲンコツの下処理をはじめ、順次、肉系の材料を入れていく。途中で、玉葱、人参、にんにく、しょうが、昆布、椎茸を加え、8時間ほど炊き、濃度をチェックしてから漉す。このスープを氷で冷やしてから冷蔵庫で一晩寝かし、翌日に使うそうだ。
和風だしは、宗田節、ウルメ節、スルメやホタテ等数種類の具材から、40分かけてとる。
しょうゆら〜めんのスープには、肉系スープと和風だしを1対1の割合で、塩ら〜めんには1対2の割合であわせているそうだ。
このスープに、特製のタレを加えて味を整える。
「しょうゆダレは、ヤマサの濃口や薄口しょうゆ、富貴の本みりん、ナンプラーなどの調味料を混ぜたタレに、チャーシューを漬け込んだものです。これを瓶につめて、冷蔵庫に入れます。最低1週間は寝かしてから使うんですよ」
塩ダレは薄口しょうゆや白しょうゆ、複数の野菜類、某ブランドの国産天然塩などをブレンド。瓶につめて冷蔵庫で最低1ヶ月は熟成させたものを使っているそうだ。
「つけめんには、このしょうゆダレに甘酢、一味を入れるんですが、一味の量はおさえてあります」
「最初にいらしたお客様に、辛すぎると指摘されましたし、お子さんの注文も多いから、あえて辛さ控えめでいくことにしたんですよ〜」
辛い味が好きな常連さんは、迷わず「辛みネギ」のトッピングもセットで注文しているそうだ。
これらのスープに、大成食品製の特製麺、つけめん用の極太ストレート麺をあわせる。
「麺は相当多いんだけど、年配の人にも人気でね。400グラムもある大だって、ぺろりと平らげていかれますよ。毎日のように通ってくださる方もいます」
トッピングもすべて自家製。手間ひまかけて丁寧に仕込んでいく。
「チャーシューは、国産の豚肉の肩ロースを使っています。スープに2時間漬け込んでから、しょうゆダレに1時間漬けています」
「味玉は、卵をちょっと固め、6分ゆでてます。殻をむいて和風だしとしょうゆ、みりんをまぜたスープに一晩漬けておきます」
塩ら〜めんの上に載っていた海老ワンタンは、久子さんの自信作。海老と鶏ひき肉、ネギ、玉葱、しょうがというシンプルな餡を、大成食品製のワンタン皮に包む。
「一度に400個分くらい仕込みますよ〜。海老を一つ一つ刻むのが大変なの。面倒くさいけど、でもね〜、食感がすり身とは全然違うでしょ。餡ができたら、仕事の合間とか、夜とかに包んでます」
包丁で刻んだり、ワンタンを包んだり、といった仕草をまじえながら、実に楽しそうに話す久子さん。
「こんなふうに笑顔で作られたワンタンだから、ますますおいしくなるのかも。あの〜、塩ら〜めんセット、お持ち帰りって、できますか?」
と、ついワガママを言い出す山内隊員なのだった。
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■回 リニューアルオープン1周年に向け、
■■ 記念サービスや限定メニューを準備中!
地元のみならず、首都圏全体からラーメンファンを集めるようになった「一張羅」。お客様との会話に、日々励まされているという。その反面、
「地元の方はストレートに、今日は辛い、甘い、酸っぱいと、あれこれ意見してくださるんですが、いろいろ伺っているうちに、これでいいのかな、って不安になっちゃうんですよね〜」
と久子さん。すかさず福井さんがアドバイス。
「お客様の声をきく姿勢はいいけれど、ふりまわされてはだめですよ。ちゃんとスープがとれているし、おいしかったですよ、安心しました! 自信もってください!」
力強い言葉に、ほっと息をつくご夫妻。
リニューアルして早10ヶ月。前川さんは、1周年記念のサービスや限定メニューなどを検討中だ。
「季節メニューを強化したかったところだし、1周年は良い節目になりますね。旬のもの、地元の特徴がある食材をアレンジして、ラーメンに載せられたらいいなあ。
うちは、広告とか、サービス面では、課題が多いと思います。そこのメニューを見ていただければわかるでしょうけど、何でも私の手作業。パソコンもできないから、ショップカードや名刺もありません。何かやるとなれば、お金がかかってしまいますからね。でも、できることからひとつひとつ、やっていきたいです。ね?」
久子さんにやさしく微笑みかける。
「そうね、がんばらないとね」
うなずく久子さん。まさに、夫唱婦随。
「いいな〜☆」
お二人のおしどり夫婦ぶりに、最後まであてられっぱなしの一行であった。
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■回 お待ちかねの試食レポート!
■■ しょうゆ&塩ら〜めん、つけめん並のお味は?
今回はしょうゆら〜めん、塩ら〜めん、つけめん(並)を作っていただいた。
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★しょうゆら〜めん (650円)
麺:大成食品の「拉麺 一張羅」特製麺。多加水、中太麺。
具:国産豚の肩ロース肉をスープで2時間ほど煮込み、特製しょうゆだれに1時間漬け込んで味付けしたチャーシューが2枚。
6分ゆでてラーメン用の和風だしとしょうゆ、みりんで味付けしたタレに一晩漬け込んだ味玉1/2個。
メンマは40分以上かけて仕込んだ自家製太切メンマ。水煮メンマを一度ゆでこぼして臭みを抜いてから、特製しょうゆだれ、和風だし、みりんで味付けし、煮含める。
長ネギ、のり、水菜、なると
スープ:肉系のスープと、和風だしを1対1の割合であわせるダブルスープ製法。
肉系スープは豚のゲンコツ、鶏ガラ、モミジ、野菜類を8時間がかりで煮込んで濾し、氷で冷やしたあと冷蔵庫で一晩熟成させたもの。
和風だしはソーダ節および、するめ、ホタテ等の魚介数種類を使用。
タレ:1週間以上ねかせた特製しょうゆダレ。材料は、ヤマサ濃口および薄口しょうゆ、ナンプラー、富貴の本みりんなど、数種類の調味料。チャーシューを漬け込んで完成。
オイル:鰹の香りをきかせた特製香味油。
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<福井講師コメント>
こちらに伺ったのは久しぶりでしたが、試食して本当に安心しました。スープの味もしっかり出ていたし、あれだけのお味をきちんとキープされているのは、本当にご立派です。
しょうゆら〜めんに関してちょっと残念だったのは、タレのしょうゆが、ややきつく感じられたこと。仕込むときに、もっと肉汁が入っていたらよかったですね。理想は10リットルのタレに対し、最低でも10キロのチャーシュー、できれば15キロくらい漬け込みたいところなんです。ただ、一度にそうたくさんチャーシューを仕込むわけにもいかないでしょうし……。丼に注ぐタレの量をもう少しおさえれば、もっとおいしかったと思いますよ。
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鈴 木
塩ら〜めんのあとに試食したしょうゆら〜めん。しょうゆの香りと味、魚介の風味がしっかりきいていたように思います。
とても洗練されたルックスで、見るからにおいしそう! 見せていただいたホームページ類の写真の中では、「一張羅」さんのラーメンの写真が、きわだっていました。
丼は、一見小さめなのだけど、食べ始めると、おやおや、こんなに?と思うほどのボリューム。東京のラーメンより、麺は多目に入っているようだし、チャーシューはしっかりお肉!って感じの厚切りだし、メンマも水菜もたっぷり。しっかり食事したな、という満足感が味わえる一杯ですね。
山 内
最初の一口は、「あ、しょっぱいのかな?」と思ったのに、後口は不思議とまあるくやさしいお味。肉系のスープ、和風だしともに、しっかり味が出ているせいなんでしょうね。ラーメン&ご飯、という組み合わせにすると、ぴたりとはまる感じの濃さだな、と思いました。丼の底に魚粉が結構残ってて、「このスープをほかほかご飯にかけて食べたらさぞかし!」なんて思いました。
ストレート麺にスープがよくなじんでいましたね。ただ、撮影に手間取って……(涙)。「ちょいのび」状態でこのおいしさなら、できたてはさぞ美味だったことでしょう。返す返すも残念!
チャーシューは赤身の比重が高く、厚みもあって、ボリュームたっぷり。歯ごたえもちゃんと感じられて、食べごたえがありますね!
極太メンマのしこしこ、水菜のしゃきしゃきっとした歯ごたえがチャーミング! やや固めの味玉も、しっかり存在感を出しています。トッピングの食感がそれぞれメリハリがきいていて、一気呵成に食べてしまいました。
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★塩ら〜めん(750円)
麺、スープ:しょうゆら〜めんと同じ。
具:チャーシュー、味玉、水菜、岩海苔、ごま、長ネギ。
自家製海老ワンタンが3個のっている。包丁で軽く刻んだ海老、鶏ひき肉、長ネギ、玉ネギ、しょうがを混ぜた餡を、大成食品製ワンタン皮で包んで作る。
タレ:ヒガシマルの薄口しょうゆ、白しょうゆ、某銘柄の国産天然塩、野菜類をあわせた特製塩ダレ。冷蔵で最低でも1ヶ月は熟成させてから使用する。
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<福井講師コメント>
塩は、非常に完成度が高いです。塩ダレがよく熟成されていて、角がなく丸い味わいになっていて、おいしかったですね。このタレと、和だし2対肉系スープ1で割ったダブルスープのバランスが、ぴたりとはまっていたんでしょう。この調子で、がんばっていただきたいですね。
この塩ダレ、とてもいい感じなので、早め早めに仕込んでおいてほしいですね。よく熟成されたタレを使っているからこそ、この味が出るんです。
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鈴 木
塩ら〜めんは、本当においしくて大満足でした。中野から2時間近くかけて訪ねて、心からよかったと思ったくらいです(笑)。
タレ、スープ、トッピング…ひとつひとつ丁寧に仕事がほどこされていて、完成度が高い味に仕上がっていますね。
ぷりぷり、しこしこの海老ワンタン、絶品です。また、岩海苔とゴマの香りがとてもよく効いていて、印象的でした。スープにとてもあっていたと思いますよ。風味豊かで深みがあってまろやかなお味のスープに、ゴージャスなトッピングの塩ら〜めん。確かに、東京へ持って帰りたくなりました。テイクアウト希望!というお客様からの声が多いのも、うなずけるなあ、と思います。
山 内
今回いただいた3種類のら〜めんのうちで、一番のお気に入りが、これ! 1ヶ月がかりで熟成させたという塩ダレが、濃厚なダブルスープをきっちりまとめてくれています。一口、また一口とすすりたくなるスープにうっとりでした。麺はスープにしっくりなじんでいましたが、同じタイプでもさらに極細系のとか、加水低めの固いのとか、平打ちのぷりぷり系の麺とかもあわせてみたい好奇心がウズウズ☆ 食いしん坊の想像力をかきたてるようなパワーがあるスープです。
海老ワンタンは、つるりとした皮の中にある、海老のゴロゴロッとした食感の対比がサイコー! 海老を包丁で刻むより、フードプロセッサーで一気にすり身にしてしまったほうが仕込み作業としては楽。だけど、あえてそうしないとおっしゃる奥様に、食に対するこだわりと情熱、そしてお客様への愛を感じました。
値段が高い分、しょうゆら〜めんより出ないとのこと。本当にもったいない! 塩ら〜めん、おいしいですよぉ〜!って、店頭で法被着て宣伝したくなった私です。
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★つけめん(並)(750円)
麺:大成食品の「麺彩房 つけめん用」特製麺。かんすい控えめ、多加水、極太、ストレートタイプ。並で300グラム。大は400グラムで850円になる。
スープ:しょうゆら〜めんと同じスープを、特製しょうゆダレ、酢1対砂糖1の割合で作った甘酢で調味。一味はやや控えめ。
具:麺の上には刻みのり、チャーシュー1枚。スープの中に、刻んだネギ、なると、チャーシューとメンマ。
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<福井講師コメント>
つけめんは、麺が固めでしたね。たぶん、今の時期はつけめんがあまり出ないんでしょう。太麺の熟成がやや進んでいたのでは? 熟成が進んだ麺はいつもより気持ち長めにゆでるといいんですよ。
寒いからつけめんが全然出ないとお嘆きでしたが、一度冷水でしめた麺を湯通ししてあつくして出す、あつもりという食べ方をもっとお客様にアピールしたほうがいいでしょうね。
スープは、固い麺にもしっかりからむほど濃厚でした。「毎日きちんと濃度を測っています」とおっしゃるだけあって、Brix8.5〜9の基準はきちんとクリアされていますね。これだけの濃度があるから、甘酢、辛味はもう少しきかせたほうがおいしいように思いますが、客層や地域性に柔軟に対応する姿勢も大切。実際、辛い味を好まれるお客様は、辛味ネギを追加注文されると伺って安心しました。
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鈴 木
つけめんは、麺の量にまずびっくり! 並で300グラムって、東京の大盛りに匹敵する量ですよ。食べる前から、その迫力に圧倒されちゃいました。
しかも、こちらのお客様はたいていが大を注文し、さらには「大の大盛りを」なんて注文がしばしば入るとか。麺が固めでしたが、これだけの量の麺を最後までおいしくいただくために必要な工夫なのかも??
ただ、麺のボリュームに比べると、スープの中の具がやや物足りない感じもします。
麺の上にのっていたチャーシューも、刻んでスープに入っているほうが、「食べた!」って感じられそう。
濃厚なスープは、個人的にはもっと辛いほうが好みですが、お子様や、つけめんに不慣れなお年寄りのお客様には、このくらいでちょうどいいのでしょう。
山 内
つけめんは、甘酸っぱくて辛い、メリハリがしっかりきいたスープが好きな私。濃厚ながら、ふんわりやさしい甘酸っぱさで、辛さ控えめのスープは、正直なところ、もっと刺激を!と思いました。でも、卓上にはスパイスがあったし、辛味ねぎをどさっと入れれば辛くできます。「自分で好みの味を作る」というスタンスが、立地条件から言えばきっと正解なのでしょう。
麺はあつもりも試してみればよかったと思います。最後のスープ割をお願いしそびれてしまったのも残念です。
「年だから、何年やれるかね〜」
なんておっしゃっていた前川さんご夫妻。どうかくれぐれもお体を大切になさってくださいね。「拉麺 一張羅」のおだやかなムードと完成度の高い味が、5年、10年と末永く続きますように! 心からお祈りしています。
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