福島鰹株式会社 本社工場見学記 | お役立ち情報 | 大成食品株式会社

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イベント、お取引先、その他 | 2008.06.30

福島鰹株式会社 本社工場見学記

福島鰹株式会社 本社工場見学記

東京ラーメンMMからの転載です。

________________________________________________________________________  ◆◇◆ 食べある記隊が行く!!(特別編) ◆◇◆       

「福島鰹株式会社本社工場見学記」   
6月18日水曜日 午前8時半 晴れ     
<京都府京都市中京区 京都市営地下鉄烏丸御池駅> ________________________________________________________________________

 

 

 

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回□ 京都の福島鰹本社工場を訪問。      

オフィス街のど真ん中に伝統食品の工場が! □回

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午前8時11分に京都駅に到着した鈴木&山内隊員。 大成食品のパートナー企業・福島鰹株式会社本社へ向かう。

「麺彩房」系の味創りには欠かせない節もの、昆布等のだし素材を製造、販売し ている会社だ。 宗田鰹オイルや醤油返しなど、大成食品からレシピ提供を受けて共同開発した商 品も多い。 来春開講予定の「鳥居式らーめん塾 京都校」の会場でもある。

今回は会場下見をかねて、工場の見学をさせていただく予定だ。

烏丸御池駅の地下道をあがると、そこはオフィス街。

「おはようございます♪(^^)/"」

爽やかに駆け寄ったのは だし一筋♪小屋隊員@福島鰹だ。 鈴木&山内隊員の持っていた 撮影用器材やPCが入ったバッグをひょいと背負って歩き出す。 小屋隊員の背中を小走りで追うものの、

鈴&山「このビル街に、工場が本当にあるの?(^^(^^:」

御池通りを左折し堺町通りに入ったとたん、

山「すごい♪(@m@) 鰹のいい香りが!!」

鈴「一歩歩むごとに香りが濃くなっていくわ(^o^)」

通りに沿って社屋が連なる。手前がオフィス、奥に工場、裏手の別棟に研修エリ アがあるようだった。 工場前に横付けされたトラックに、会社のロゴ入りの段ボールが続々と積み込ま れていく。 関西を中心に全国で大小数千店もの飲食店を顧客を抱える企業だけに、早朝から 稼働しているらしい。

お仕事中にも関わらず、社員の皆さんが元気よく挨拶してくださった。 応接室で無事、鳥居隊長と合流!

隊長「実は私も鰹節の工場を見学するのは初めてなんだよね〜。楽しみだな♪  こちらの工場はHACCP(Hazard Analysis Critical Control Point)に基づい た衛生管理を、いち早くとりいれたそうだよ。うちも3カ年計画でISO220 00をとろうとしているから、勉強させていただかないとね(^^)」

こうした規格をクリアすること自体が目的ではなく、内部の社員教育への効果が 高いことに着目すべき……等々、福島鰹株式会社専務取締役の福島明彦さんと、 熱心に議論する隊長であった。

福島「皆さん、鰹節の工場をご覧になるのは初めてですか?」

鈴&山「はい♪」

福島「煌煌と明るくて真っ白な……無菌な……そんな近代的な食品工場のイメー ジとは、だいぶ違うと思いますよ(^^)。見た目はあまりよくないかもしれま せんが、不思議と悪い菌はいないんです。これは味噌や醤油などの伝統食品全般 に通じることですが、鰹節はカビを上手に利用して製造するもの。ピカピカの新 しい建物、殺菌剤……そういう方向を追究すると、必要なカビがうまく育たず、 悪い別の菌が繁殖してしまうこともあるんですね。古くから大事に使っているこ の建物だからいい、という側面もありますよ。ですから、自信をもって工場をお 目にかけるんです」

食に関する安全という意識が高まる何年も前から、HACCP環境を整えてきた企業 ならではの発言だ(^^)。 福島さんに見送られ、工場に向かう。

 

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回□ 広大な冷蔵倉庫に         

<福島のこだわり>を見た! □回

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見学者用の「お着替え」をして内部へ。

隊長「節ものの芳香がどんどん濃くなってきますね」

「社員はもう慣れてしまって無自覚かもしれませんね(^^。ボクなんか、煮たら エエ出汁とれるんとちゃいますか♪」

小屋隊員@福島鰹営業担当 のトーク、早朝から絶好調である(^^)

 

節系のエリアから見学スタート。

ここには社員35人が働いているとか。 案内してくださるのは品質管理室室長の寺村さん。

鈴「鰹節そのものは作ってないんですね」

寺村「ええ。九州各地を綿密に視察して買い付けているんです。たとえば熊本県 牛深市の平山さんからさば節を、という感じで各産地の腕自慢、品質自慢の生産 者さんから買い付けています」

まずは冷蔵倉庫へ。

一行「寒〜い!(**;)」

寺村「こちらは常に4.5℃に設定されています。温度が変わると、警報が鳴る んですよ」

広大なスペースに段ボール箱がぎっしり! 顧客は和食系の店舗が多い。常にお客様に同じ品質の製品をお届けするため、同 じ産地、銘柄、品質の商品が常に1年分保管されているそうだ。段ボールには通 し番号が記されていた。

寺村「これは、熊本市牛深の同じ生産者から届いたさば節。18キロ入の箱が1 27個、並んでいます。この地下の倉庫にもっとたくさんおいてありますよ。 社内の冷蔵庫には、今、1万ケース在庫があるから、ざっと20日分ですかね。 こっちの(段ボールの数が)半分から3分の1になったら,新たに営業倉庫より とりよせます」

一行「膨大ですね(^^; それをすべてこの倉庫で?」

寺村「別の場所にも倉庫がありますが、どこも温度管理は万全です。こんな保管 倉庫を維持するとなると、電気代だけでも年間数百万円かかります。他社では経 費節減のため、こんなに在庫をもちませんよ。 でもね、お客様のために、安定した品質の商品をいつでもすぐにお届けするのが 福島鰹のこだわりなんですね(^^)」

寺村さんが、笑顔で胸をはる。

 

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回□ 衛生管理されたガラス室内で        

瞬時に削られる節、節、節(@@)! □回

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次は花かつおの削り室。

山「削り室って、まさか中で職人さんがせっせと鰹を削って……?(^^;」

寺村「いえいえ(^^)、やはり機械のかんなのほうが歩留まりがいいですから。 鰹節1本削るのに数十秒、削り機一台で1日に50キロ削ることができます」

ガラス張りの削り室に白衣、帽子、マスク等で全身白尽くめの人がひとり、ふた り……。 左型に削り機が並ぶ。小さなラックに鰹節が一つずつ置かれ、少しずつ上昇。上 部にある自動かんなで、0.03−0.04ミリという薄さに削られる。 削ったものはコンベアで次の工程へ送られ袋詰めされていく。このラインの流れ はモニター監視されていた。

寺村「花かつおは風で飛び、重い骨は下に落ちる。だからかつおだけ、パックで きるんです。1日に500袋ほど、出来ますね」 削りからパッキングまでは全自動だが、検品はやはり人がするそうだ。 階段を昇降して別の削り室へ。 こちらもガラスばりで、鯖節をはじめとする雑節を削り、パッキングするライン が設置されている。4人体制だが、かなり忙しそうだ。 冷蔵してあった節ものをいったん85℃で蒸煮し、削りやすくしてから削り機に かける。 今の時期は1日12キログラム入りの節ものを700ケース分も削る。

寺村「繁忙期の11月12月、は1000ケース、12トンは削ってますね」

雑節の削り室は、花かつおと違い、節そのものが小さく粉塵が出やすいのか、室 内が茶色く煙っている。毎日12キロ近く出る粉塵は飼料として販売するそうだ。 自動削り機はドラム状。ドラムの中に超鋼製で20センチ×6センチほどの分厚 いかんなの刃が16枚入っている。刃は8−9ヶ月で短くなってしまい、交換さ れるそうだ。

削ったあと、85〜90℃の乾燥機に5分入れ、一日置いて乾燥させてから所定 の割合でブレンドし、パックにつめていく。

寺村「福島の混合節のブレンドには銘柄別に何パターンかあるんです。特注もの もありますよ」

「麺彩房」系の味創りでもおなじみの和だしパックも、当初は福井隊長代理のレ シピによる特注ものからスタート。「麺彩房」系のブレイクにより、商品化され たのだった(^^)。 熱心に見学する隊長に、静かに声をかけた寺村さん。

「HACCPの規格にのっとって仕事をしているわけですが、どんな規格、素晴らし い機械があったとしても最後は人ですよ。 うちの工場では、仕事に就く社員の衛生面に厳格なルールがあります」

壁に掲示された詳細なマニュアルを指差す。 手洗い、作業用白衣に関する注意事項だけではなく、社員の病気、ケガについて はどんな些細なことでも入室前に必ず申告させ、会社側が管理しているとか。

寺村「なにしろ、お客様の口に入るものを作っているわけですからね(^^)」

一同、深くうなずく。

 

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回□ 福島鰹の<昆布博士>の           

熱いトークに感動♪ □回

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地下から3階へ移動。

小屋「創業大正11年。増築増築で、社内は迷路みたいになってます。もう何人 も遭難してますわ(^o^)♪」

なんてジョークに励まされ、階段をのぼる。

小屋「着きましたよ(^^)/" こちらは宮田部長がご説明します」

専用の履物にかえ、昆布専用倉庫内へ。節系倉庫同様、広い! 潮の香りがする!

宮田「ここで昆布を熟成させるんです。1、2年おくほうがいい味、香りになり ますよ。昆布の新ものは青くさいんですよ。梅雨をこしたあたりから風味ががぜ ん良くなるんですが〜♪(^^)」

宮田さんは、楽しそうに語り始める。 倉庫内の7割は高級利尻昆布とか。

宮田「1等がいちばん長くて硬い。2等、3等と等級が落ちるにつれて、昆布の サイズは短く、細く、薄くなるんです。 昆布幅の広いのは養殖もの。天然ものが一番だと思うけど、年によってやはり出 来が違うわけですよ〜。台風がくるとダメね、流氷で流れてしまうこともあるし。 長さをそろえて束ねた昆布、折り畳んだ折り昆布とがあるけど、これは組合の出 荷スタイルの差でね〜 箱に「黒傷」って書いてあるでしょ、これ、オススメ♪ ウニが食べた傷がある 昆布のことなんです。ウニはおいしい昆布を選んで食べるから〜♪(^^)」

福島鰹の<昆布博士>こと宮田部長。語り始めたらとまらない!(^^)

昆布の等級がいいから、価格が高いから、おすすめ、というわけではないらしい。 用途、そして予算次第でお客様に最適な昆布の種類、等級は変わってくる。

たとえば、羅臼昆布はとてもよいだしが出るが黄色く色づくし、とけやすく、割 高。澄んだだしが必要な料理には不向きだが、らーめん用には比較的安価な羅臼の耳 はオススメ! 日高昆布の促成ものは安くて見栄えがキレイ。種をつけて培養し1年で収穫する 促成の性質上、青くて若く柔らかだが、味わいが薄い。 養殖ものの昆布は2年かかって収穫するし、天然なら2年以上かけてじっくり育 つ。 昆布巻き、昆布〆などでは柔らかで調理しやすいから、促成のほうが向いている、 といった調子。

鈴&山「昆布の世界も奥深い〜(^^)」

宮田「個人的なおすすめナンバーワンは断然利尻の天然だね。(養殖物に比べ) でこぼこ、くしゃくしゃな天然昆布のほうが、だしの味は断然いい!」

おもむろに、箱から小袋をとりだして、一行に配って下さった。

小屋「出たー♪<宮こん>! 宮田さんオススメ昆布、社内販売でも大人気なん ですよ(^^)」

<宮こん>=礼文島の香深産。天然の利尻昆布1等の最高級品とか。

「こんな貴重なものを♪(^^)(^Q^)(^o^)」

大喜びする一行に宮田さんもニコニコ。 宮田さんは、毎年8−10月は昆布の入札のために、北海道の各産地をめぐるそ うだ。

宮田「お客様のために、今使っている産地、等級の物を必ず確保しなくてはなら ないから、相場の上下に悩まされます(^^;」

福島鰹の利尻昆布の取扱量は全国トップクラス。膨大な量を確保しなくてはなら ないため、価格が高くても入札しなくてはならないときもしばしばとか。

宮田「買い付け価格でキロあたり600円違ったら、ひと箱で1万円くらい違ってき ますよ〜。入札シーズンは損しちゃったらどうしよう、ってヒヤヒヤして眠れな いです(^^; でも安く買い付けできたときは最高だけどね♪」

社内でこの仕事ができるのは、今のところ宮田さんだけだとか。

隊長「何年寝かせた昆布が一番おいしいですか?」

宮田「最低でも1年は寝かせてから出荷していますが、実は寝かせれば寝かせる ほど熟成し、良い香り、味になりますね。7年たつとちょっと焦げ臭くなってき ますがそれはそれでオツ(^^)」

山「ワインみたいですね〜。梅酒や梅干しも長年熟成させたほうがおいしくなる し(^^)」 生鮮食品とは賞味期限の観点、基準が違うのだが……

宮田「実はうちでパックした段階で昆布には製造年月日がつきます。 賞味期限は1年とうつけど、実は1年を越えても全然大丈夫なんですよ。」

隊長「鮮度が重要な食材もあれば、時間が味を創る食材もあるんだよね……食の 安全、安心について語るとき、賞味期限の数字だけが一人歩きしがちな現状に、 ジレンマを感じることが多いよ……(^^;」

鈴「昆布の熟成についての知識、情報が消費者に正しく伝わっていれば、<昆布 の悲劇>も回避できたのかも? ちなみに私、スーパーで昆布を買うときは、賞 味期限が近いためにおつとめ品になったものを買ってました。正解だったわけで すね!(^^)」

小1時間、昆布トークを楽しんだ一行。

「鳥居式らーめん塾京都校」会場となる研修室も視察して、福島鰹本社工場を退 出。

山「食材を深く理解し、可愛がっていらした福島鰹の皆さんにお会いできて嬉し かったです♪(^^)/"」

鈴「丹精こめてつくられた製品だから、おいしい出汁がでるのね。 帰宅したら<宮こん>でお吸い物作ろうっと♪(^Q^)」

隊長「倉庫の在庫量の話には、福島鰹さんのCS(顧客満足)追究の姿勢、情熱、 そしてプライドが感じられたね。 HACCPの徹底した工場内やスタッフの仕事ぶりを視察できたのも、有意義でした」

興奮気味に感想を語る一行であった。

「福島鰹の皆様、お世話になりました! "\(^^)(^^)"(^o^)/"」 (おしまい)

 

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